タフビズグローバルPLの補償内容
日本国外で起きた生産物の事故について、法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害を補償します。損害賠償金だけでなく、訴訟の費用や応急手当の費用も支払いの対象です。支払限度額、適用地域、遡及日の仕組みとあわせてご説明します。
保険金をお支払いする場合
日本国外で、生産物または仕事の結果が原因で他人の身体の障害や財物の損壊が起き、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することで被る損害に対して、保険金をお支払いします。ただし、遡及日以降に発生した事故について、保険期間中に損害賠償請求がなされた場合に限ります。
ここでいう「仕事」とは、製品の販売に関連して行う据付作業のことです。販売後のサービスや修理は含みません。現地の業者(日本法人の現地子会社を含みます)が行う据付作業も対象外です。
「財物の損壊」には、物が物理的に壊れたことによる使用不能の損害に加え、物理的な損壊を伴わない使用不能の損害も含みます。ただし、電子データは「物」に含みません。
法律上の損害賠償責任が生じていないのに被害者へ支払ったお見舞金は、保険金のお支払い対象になりません。
お支払いする損害(5項目)
次の①〜⑤は、合計して1事故・保険期間中の支払限度額の範囲内(内枠)でお支払いします。「内枠」とは、費用も賠償金と合わせて限度額の中で支払う、という意味です。
① 損害賠償金
被保険者が被害者に支払う法律上の損害賠償金です。判決によるものだけでなく、任意の和解金も含みます。罰金、違約金、懲罰的賠償金(これに類するものを含みます)は除きます。
② 争訟費用
訴訟の費用や弁護士報酬など、防御対応に要した費用です。訴訟の結果、被保険者が損害賠償責任を負わなかった場合も対象です。原告側の弁護士費用を負担することになった場合も対象です。
③ 差押解除ボンドの費用
差押えを解除するためのボンド(保証証券)の費用です。保険会社がボンドを提供する義務は負いません。
④ 協力費用
訴訟の調査や防御のため、被保険者が保険会社に協力するために負担した費用で、保険会社が妥当と認めたものです。1日250米ドルまでの収入の補償も含みます。
⑤ 応急手当費用
身体の障害の応急手当として被保険者が負担した費用です。
防御対応のために要した費用は、保険会社が被害者、弁護士、裁判所などへ直接支払います。支払限度額を超えない限り、原則として被保険者が立て替える必要はありません。
支払限度額と免責金額
支払限度額はCSL(Combined Single Limit:身体の障害と財物の損壊をまとめて1つの限度額で管理する方法)で設定します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払限度額(1事故・保険期間中) | 円建て:5千万円/1億円/2億円/3億円/4億円/5億円 |
| 米ドル建て:50万/100万/200万/300万/400万/500万米ドル | |
| 免責金額 | 設定しません |
| 保険期間 | 1年間(開始時刻は記名被保険者の住所地の標準時で午前0時1分) |
北米向けの輸出がある場合は、高額な賠償金が課される可能性が高いことを考え、より高い限度額をご検討ください。この保険では、争訟費用も限度額の内枠で支払います。
5億円(500万米ドル)を超える限度額や、特約の組み合わせを変えた契約は、定型化されたこの商品ではなく海外PL保険での検討になります。ご希望の場合はお見積もりの際にお知らせください。
適用地域
適用地域は「日本を除く全世界」です。輸出した対象製品が原因で、適用地域内で起きた事故が支払いの対象です。貴社が日本国内で販売した対象製品でも、適用地域内で起きた事故は対象になります。
ただし、その事故に関する訴訟が、日本国内または適用地域内で提起された場合に限ります。
損害賠償請求ベースと遡及日
この保険は、事故が起きたときではなく、損害賠償を請求されたときに有効な契約で補償します。
タフビズグローバルPLは、損害賠償請求ベース(クレームズメイド。損害賠償請求がなされた時点で有効な保険契約を適用する仕組み)で引き受けます。保険期間中になされた損害賠償請求のうち、遡及日以降に発生した身体の障害・財物の損壊によるものが支払いの対象です。
遡及日とは、補償の対象となる事故の「発生日の起点」です。新規契約では、遡及日を契約の始期日とするか、始期日の1年前〜10年前の応当日(1年刻み)から選びます。遡る場合は、年数が長いほど初年度の保険料が割増になります。
更新するときは、初年度に決めた遡及日を引き継ぎます。更新時に遡及日は変更できませんが、遡及日による保険料の割増もありません。
ケース1:遡及日より前に事故が発生
支払いの対象になりません。
ケース2:遡及日以降・初年度の始期日より前に事故が発生し、保険期間中に請求
支払いの対象です。ただし、始期日の時点で事故の発生を知っていた場合や、合理的に予見できた場合は除きます。
ケース3:保険期間中に事故が発生し、更新後の契約の期間中に請求
更新後の契約で支払いの対象です。
同じ原因または共通の原因による複数の損害賠償請求は、件数にかかわらず、最初の請求がなされたときにすべてなされたものとみなします。
製品回収費用限定補償特約(任意)
対人・対物の事故が起きた場合に限り、製品の回収費用を補償する特約です。
生産物が原因で身体の障害や財物の損壊が起きた場合に限り、生産物の回収費用を補償します。海外の販売会社など第三者が回収を行い、その費用を貴社に求償してきた場合も対象です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 支払限度額 | 5万米ドル |
| 免責金額 | なし |
| 縮小支払割合 | 90%(自己負担10%) |
| 対象製品 | この特約を付けた初年度契約の始期日以降に製造された製品に限ります |
お支払いの条件
- 身体の障害または財物の損壊が発生していること
- 被保険者または第三者が回収が必要と決定したこと、または政府機関から回収を命じられたこと
- 適用地域内で、保険期間中に回収が開始されること
- 回収開始から1年以内に生じた費用で、費用の発生から1年以内に保険会社へ通知されたものであること
この特約を付けない場合、製品や製品が組み込まれた物の回収・検査・修理・交換などの費用は補償の対象外です。
自動でセットされる主な特約
包括追加被保険者特約(海外販売人)
貴社が承認した海外の販売業者を、記名なしで包括的に被保険者に加えます。
費用内枠払い特約
争訟費用などを支払限度額の内枠で支払うこと、原告の弁護士費用や応急手当費用を支払うことを定めます。
クレームシリーズ特約
同じ原因による複数の請求を1つの請求とみなすこと、初年度より前に知っていた事故を対象外とすることを定めます。
裁判管轄権に関する特約
保険契約の解釈や適用をめぐる争いには、日本の法律が適用されることなどを定めます。
海外PL保険の選び方:確認したい6つの要素
海外PL保険を検討するときは、次の6点を確かめます。右の列は、タフビズグローバルPLでの条件です。
| 要素 | 確認すること | タフビズグローバルPLの条件 |
|---|---|---|
| 支払限度額 | 北米向けの輸出があるか。取引先から金額の指定があるか。 | 1事故・保険期間中で5千万円〜5億円、または50万〜500万米ドルの6段階。高額な賠償金が課される可能性の高い北米リスクを考え、より高い限度額をご検討ください。 |
| 発動要件(損害賠償請求ベースと遡及日) | いつ起きた事故まで対象にするか。すでに市場に出ている製品をどこまで遡って対象にするか。 | 損害賠償請求ベース。遡及日は始期日か、始期日の1年前〜10年前から選びます。遡ると初年度の保険料が割増になります。 |
| 製品回収費用の特約 | 事故が起きたとき、製品の回収費用まで備えるか。 | 製品回収費用限定補償特約(任意)。対人・対物の事故が起きた場合に限り、限度額5万米ドル、縮小支払割合90%で補償します。 |
| 被保険者の範囲 | 海外の販売店や国内の協力会社も補償の対象にする必要があるか。 | 貴社が承認した海外の販売業者は自動で被保険者になります。国内の下請製造・加工業者や輸出商社は、特約で10社まで追加できます(保険料は割増)。 |
| 争訟費用の扱い | 弁護士費用などが限度額の別枠か、内枠か。 | 内枠です。争訟費用などの費用は、損害賠償金と合わせて支払限度額の範囲内で支払います。 |
| 適用地域 | 仕向地が補償の地域に入っているか。訴訟がどこで起こされるか。 | 日本を除く全世界。事故に関する訴訟が、日本国内または適用地域内で提起された場合に限ります。 |
国内PL保険との違い
国内PL保険(和文の生産物賠償責任保険)とタフビズグローバルPLでは、補償する地域も約款の仕組みも違います。
| 項目 | 国内PL保険(和文約款) | タフビズグローバルPL |
|---|---|---|
| 補償する地域 | 原則として日本国内 | 日本を除く全世界 |
| 約款の言語 | 和文約款 | ISO標準約款をもとにした英文約款(和文の英訳ではありません) |
| 保険会社による示談交渉(防御対応) | ― | 弁護士の手配・示談交渉などを保険会社が行います(法的に許される国に限ります) |
| 不良完成品・不良製造品の損害 | 対象外 | 対象 |
| 補償の基準 | 事故発生ベース(保険期間中に起きた事故が対象)。損害賠償請求ベース特約を付ける方式もあります | 損害賠償請求ベース(遡及日以降に起きた事故で、保険期間中に請求されたものが対象) |
| 輸出品の取扱い | 輸出品(間接輸出を含む)など海外のリスクは海外PL保険で引き受ける | 海外PL保険を定型化した商品 |
国内の賠償責任保険は、海外のリスクを原則として引き受けません。現在ご加入の国内PL保険の補償地域は、保険証券でご確認ください。
注意点:保険金をお支払いしない主な場合
主なものを挙げています。詳細は約款・重要事項説明書をご確認ください。
| 補償されない主な場合 | 内容 |
|---|---|
| 故意(予期・意図された事故) | 予期または意図された身体の障害・財物の損壊。和文約款の故意免責にあたります。 |
| 契約上の加重責任 | 契約や合意によって引き受けた責任。hold harmless条項などで相手方の責任を肩代わりした分も含みます。契約がなくても負う賠償責任は対象です。 |
| 罰金・違約金・懲罰的賠償金 | これらに類するものを含みます。 |
| 労災法上の責任 | 被保険者の従業員が業務中に被った身体の障害や、労働者災害補償法などによって課される責任。 |
| 製品そのものの損壊 | 製品や仕事の目的物そのものの損壊。 |
| 欠陥・納期遅れによる使用不能 | 物理的な損壊を伴わない使用不能のうち、製品の欠陥や納期の遅れ・不履行によるもの(例:納期遅れで納入先の工場が使えなかった)。 |
| 回収・検査・修理・交換の費用 | 製品や製品が組み込まれた物の回収などの費用。製品回収費用限定補償特約で一部を補償できます。 |
| 契約前に知っていた事故 | 初年度契約の始期日より前に、発生を知っていた事故や合理的に予見できた事故。 |
| 地震・噴火・津波 | これらによる事故。 |
| 戦争・暴動・テロ行為 | これらによる事故。 |
| 汚染物質 | 汚染物質の漏出・放出などによる事故(不測かつ突発的かどうかを問いません)。 |
| 特定の原因・製品による事故 | 医療行為、アスベスト、核物質、航空機製品、サイバー攻撃による事故。 |
| 酒類の製造・販売 | 酒類の製造・販売などを事業とする場合の、酩酊や未成年者への提供などに関する責任。 |
汚染物質の免責は、家電製品の欠陥で一酸化炭素中毒が起きたときのように、被害者が少数に特定され被害の拡大が想定されないケースまで免責とする趣旨ではありません。
よくあるご質問
免責金額(自己負担額)はありますか?
弁護士費用は支払限度額とは別に出ますか?
懲罰的賠償金は補償されますか?
契約前に販売した製品の事故も対象ですか?
不良品そのものの交換費用は補償されますか?
地震で製品が倒れてけが人が出た場合は?
引受保険会社:あいおいニッセイ同和損害保険株式会社/取扱代理店:那由他保険テクノロジーズ株式会社
「タフビズグローバルPL」は海外生産物賠償責任保険(海外PL保険)定型プランのペットネームです。本ページは「タフビズグローバルPL」の概要を説明したものです。ご契約にあたっては必ずパンフレット・重要事項説明書をご確認ください。
輸出製品の賠償リスク、
まずは資料とお見積もりから
仕向地と輸出額の目安が分かれば、お見積もりの準備を進められます。
数字がそろっていない段階のご相談も承ります。
輸出額と保険料の規模をうかがい、必要な支援の範囲からご提案します。