How to Compare
選び方・見直しのポイント——どこで商品差が出るのか
労災上乗せ保険は、補償金額・特約・対象者の組み合わせで中身が大きく変わる保険です。検討・見直しのときに見るべき7つのポイントと、共済との使い分け、見直しの目安を、保険代理店の実務の立場から整理します。
比較で見るべき7つのポイント
Mental & Cardiac
精神障害・脳心疾患・自殺への対応
近年の労災の主戦場です。政府労災に認定された精神障害・脳血管疾患・心臓疾患、それらに起因する死亡(自殺を含む)が補償対象に入っているか。入っている場合の要件(労災認定との連動)はどうか。ここは商品差が最も出やすいポイントです。
Employer's Liability Limit
使用者賠償の支払限度額の上限
1名あたり・1事故あたりの限度額をいくらまで設定できるか。無制限や高額の設定ができる商品もあります。判例水準(死亡・重度後遺障害で1億円超の事案あり)と自社の雇用実態から必要額を逆算します。
EPL Endorsement
雇用慣行賠償特約の有無と範囲
パワハラ・セクハラ・不当解雇の賠償に備える特約が用意されているか、対象者に役員・管理職個人が含まれるか、争訟費用の扱いはどうか。ハラスメント対応を重視するなら必須の比較軸です。
Named or Unnamed
無記名式か記名式か
入れ替わりの多い職場なら無記名式が原則です。少人数で特定の従業員だけ手厚くしたい場合は記名式や傷害保険の組み合わせも選択肢になります。
Rating Basis
保険料の算出方式(売上高か賃金総額か)
同じ会社でも、売上高ベースと賃金総額ベースでは保険料が変わることがあります。利益率が高く人件費比率の低い会社は賃金総額ベースが有利になりやすいなど、事業構造との相性があります。
Scope of Persons
役員・下請負人・派遣まで広げられるか
政府労災の対象外である役員や、建設業の下請負人(一人親方)を含められるかは商品によります。経審要件や元請要件がある場合は、対象範囲が要件を満たすかを最初に確認します。
Services
付帯サービス(メンタルヘルス・労務相談など)
ストレスチェックやメンタルヘルス相談、労務・法律相談の窓口が付帯する商品があります。保険金だけでなく「事故を起こさないための支援」まで含めて比較する価値があります。
共済・商工会議所の制度との使い分け
商工会議所の業務災害補償プランや各種共済にも、労災上乗せの機能を持つ制度があります。損害保険会社の商品と排他ではなく、使い分け・併用の対象として整理するのが実務的です。
- 共済・団体制度の持ち味:会員向けの割安な掛金で、基本的な上乗せ補償を確保しやすいのが利点です。まず土台として検討する価値があります
- 民間商品の持ち味:使用者賠償の限度額の高さ、雇用慣行賠償などの特約の広さ、対象者の柔軟さで選択肢が多いのが一般的です。賠償リスクを厚くカバーしたい場合の中心になります
- 併用時の注意:上乗せ給付が重複するのは(コスト効率はさておき)実害が小さい一方、賠償系の補償はどちらから支払うかの整理が必要です。加入中の制度の内容が分かる書類をお送りいただければ、重複と不足を点検します
加入済みでも、こんなときは見直しの目安です
- 契約から3年以上、内容を確認していない。精神障害・雇用トラブルへの対応は商品改定で拡充が続いている領域です。古い契約のままだと、いまのリスクに合っていないことがあります。
- 売上や従業員数が大きく変わった。算出基礎や必要な限度額が変わっている可能性があります。
- 使用者賠償の限度額が数千万円のままになっている。近年の判例水準に照らすと、限度額不足のリスクがあります。
- 雇用慣行賠償の特約を付けていない。パワハラ防止措置が全企業の義務となり、請求リスクの実在性は上がっています。
- 災害補償規定を作った・変えたのに、保険金額はそのまま。規定の約束と保険の補償がずれると、差額は会社の持ち出しになります。
本ページは労災上乗せ保険(業務災害補償保険)の一般的な比較の観点を説明したものであり、特定の保険商品・共済制度の優劣を示すものではありません。補償の内容・引受の可否は各商品・契約条件により異なります。当サイトの解説は、労災上乗せ保険(業務災害補償保険)の一般的な仕組みに関する情報提供です。引受保険会社・商品の詳細は、お見積もり・ご提案の際にご案内します。取扱代理店:那由他保険テクノロジーズ株式会社