Coverage

労災上乗せ保険の補償内容

補償は「従業員を守る層」「会社を守る層」「雇用トラブルに備える層」の3層で考えると整理しやすくなります。それぞれの中身と、補償されない主な場合、対象者の範囲を解説します。

Three Layers

補償の全体像——3層構造で考える

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For Employees

法定外補償(従業員への上乗せ補償)

従業員が業務上のケガ・病気を被ったときに、政府労災とは別に定額の保険金を支払う、いちばん基本の層です。弔慰金・見舞金や災害補償規定の支払い原資になります。

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For the Company

使用者賠償責任の補償

労災について会社が損害賠償責任を負ったときの賠償金・訴訟費用をカバーする層です。高額化する労災訴訟への備えとして、実務上はこの層こそ本丸といえます。

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Employment Practices

雇用慣行賠償責任の特約

パワハラ・セクハラ・不当解雇・差別的取扱いなど、ケガを伴わない雇用トラブルの損害賠償請求に備える特約の層です。精神障害の労災認定が増えるなかで重要度が上がっています。

安全装置の付いた工作機械を操作する作業者の手元
Fig.01 Coverage follows the work — from factory floor to office
Layer 01

法定外補償——従業員への上乗せ補償の中身

支払われる保険金の種類は、おおむね次のとおりです。金額(保険金額・日額)は契約時に会社が設定します。

保険金の種類支払われる場合(一般的な例)
死亡保険金業務上の事故によるケガが原因で、事故日から一定期間内(180日以内とする商品が多い)に死亡した場合に、設定した保険金額を支払い
後遺障害保険金後遺障害が残った場合に、障害の等級に応じて保険金額の一定割合を支払い
入院・手術・通院保険金入院日数・通院日数や手術の実施に応じて、設定した日額などを支払い
休業補償(特約)就業できない期間について、設定した日額を支払い。政府労災の休業給付(計8割まで)との差額補填として設計
疾病への拡張(オプション)労災認定された精神障害・脳血管疾患・心臓疾患や、商品によっては業務外の病気まで対象を拡張
  • 政府労災と別枠:政府労災の給付を受けても、法定外補償の保険金は通常減額されません。「認定を待たずに支払われる」設計が一般的なため、事故直後の対応資金として機能します(支払要件は商品によります)
  • 災害補償規定との関係:就業規則や災害補償規定で会社が約束している弔慰金・見舞金の水準に、保険金額を合わせて設計するのが基本です。規定が未整備の場合は、規定づくりからご相談いただけます
Layer 02

使用者賠償責任の補償——会社を守る本丸

従業員側から「会社に安全配慮義務違反があった」として損害賠償請求を受けたとき、会社が負担する金銭をカバーします。

  • 損害賠償金:判決・和解などにより会社が法律上の損害賠償責任として支払う金額。逸失利益・慰謝料など、政府労災の給付では埋まらない部分が中心になります
  • 争訟費用:弁護士費用・訴訟費用など、争いの解決のために会社が支出した費用。責任が最終的に認められなかった場合でも発生する費用です
  • 支払限度額の考え方:労災訴訟の賠償額は1億円を超える事案が公表されています。限度額は「1名あたり」「1事故あたり」で設定するのが一般的で、判例水準を踏まえると1名1億円以上を目安に検討する例が多く見られます(設定は貴社の判断です。保険料の考え方もご参照ください)
  • 法定外補償との連携:賠償額の算定では、法定外補償として従業員に支払った金額が差し引かれるのが一般的です。2つの層は、片方だけでなくセットで設計することに意味があります
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雇用慣行賠償責任の特約——ケガのない労務トラブルに備える

パワハラ・セクハラ・不当解雇・差別的取扱いなどを理由とする損害賠償請求は、ケガを伴わないため使用者賠償だけでは補償の対象となりません。この隙間を埋めるのが雇用慣行賠償責任の特約です。

  • 対象となる請求の例:ハラスメント(パワハラ・セクハラなど)、不当解雇・雇止め、差別的取扱いを理由とする、従業員等からの損害賠償請求
  • 補償されるもの:会社(商品によっては役員・管理職個人を含む)が負担する損害賠償金と争訟費用
  • 重要になっている背景:精神障害の労災認定原因ではパワーハラスメントが最多(令和7年度222件)で、労働施策総合推進法によりパワハラ防止措置は中小企業を含む全企業の義務です。防止体制を整えたうえで、それでも起きた場合の金銭リスクを引き受けるのがこの特約の役割です
Who Is Covered

対象者の範囲——無記名式なら全従業員を包括

  • 無記名式(包括契約):従業員を1人ずつ記名せず、全従業員を包括して対象にする方式。入退社のたびの通知が不要で、パート・アルバイトも自動的に含まれます。中小企業の契約はほとんどがこの方式です
  • 役員・事業主:政府労災では原則対象外ですが、上乗せ保険では商品により役員を対象に含める設計ができます。特別加入制度との関係はFAQで解説しています
  • 下請負人:建設業などでは、商品により下請負人を対象に含める設計があります。元請として現場全体をカバーしたい場合に検討します(建設業のお客さまへ)
  • 派遣・出向者:雇用関係の整理によって扱いが変わります。実態をうかがって商品ごとの扱いをご案内します
Exclusions

補償されない主な場合(免責)

どの保険にも、支払われないケースが定められています。契約前に確認しておきたい代表例です(詳細は商品の約款によります)。

  • 故意・重大な過失:会社や被保険者の故意による事故、従業員本人の故意の自傷など
  • 無資格運転・酒気帯び運転:被災した従業員側の重大な法令違反による事故は対象外とされることがあります
  • 地震・噴火・津波:天災による労災は基本補償の対象外とし、天災危険補償の特約でカバーする構成が一般的です
  • 戦争・暴動など:異常な事態に起因する損害
  • 契約前に発生していた事故・請求:すでに発生している労災やトラブルを、後から保険でカバーすることはできません。リスクを認識したら、備えは先に整えておく必要があります

※ 免責事由の定め方は商品により異なります。お見積もり時に、比較対象の商品ごとの免責の違いもあわせてご説明します。

貴社に必要な「層」から、一緒に設計します

3層すべてに入る必要はありません。災害補償規定の有無、業種のリスク、既存契約との重なりをうかがい、優先すべき層と金額の目安を整理してご提案します。まずは資料請求だけでも構いません。

資料請求・ご相談・お見積もりはすべて無料です。営業時間内のご依頼には、当日中に担当者よりご連絡いたします。

本ページは労災上乗せ保険(業務災害補償保険)の一般的な補償構成を説明したものであり、特定の保険商品の内容を記載したものではありません。補償の名称・範囲・免責事由・引受の可否は引受保険会社・商品・契約条件により異なります。詳細はお見積もり時にお渡しする資料およびご契約のしおり・約款をご確認ください。当サイトの解説は、労災上乗せ保険(業務災害補償保険)の一般的な仕組みに関する情報提供です。引受保険会社・商品の詳細は、お見積もり・ご提案の際にご案内します。取扱代理店:那由他保険テクノロジーズ株式会社

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