About GLTD

GLTDとは|団体長期障害所得補償保険の仕組み

GLTDは、従業員が病気やケガで長期間働けなくなったときの収入減少を補償する、企業向けの団体保険です。このページでは、保険の仕組みと公的保障との関係を、はじめて検討する人事労務担当者向けに整理します。

Definition

GLTD=Group Long Term Disability

GLTD(団体長期障害所得補償保険)とは、企業・団体が保険契約者となり、役員・従業員を被保険者として、病気やケガによる長期の就業障害で失われる所得を補償する保険です。読んで字のとおり「団体(Group)」で加入する「長期(Long Term)」の「障害(Disability)」所得補償で、欧米では標準的な福利厚生制度のひとつです。

ポイントは「長期」にあります。従業員が数週間の入院をする程度であれば、有給休暇と傷病手当金でおおむね収入は維持できます。問題になるのは、がん・脳血管疾患・メンタルヘルス不調などで療養が1年を超え、傷病手当金の支給が終わってもなお働けない場合です。GLTDは、まさにこの局面の所得を補償するために設計されています。

Mechanism

保険金支払いの仕組み:免責期間とてん補期間

GLTDの支払いは「就業障害」「免責期間」「てん補期間」の3つの言葉で理解できます。

就業障害 病気やケガにより、それまで従事していた業務にまったく従事できない状態、または一部従事できず所得が一定割合を超えて減少した状態をいいます。入院中に限らず、医師の指示にもとづく自宅療養も対象となる場合があります。詳細な定義は契約方式、普通保険約款、および特約等によります。
免責期間 就業障害が始まってから保険金のお支払い対象となるまでの期間です。有給休暇や傷病手当金でカバーされる期間を免責期間に設定することで、保険料を抑えつつ「公的保障が尽きたあと」に補償を集中させる設計ができます。
てん補期間 保険金をお支払いする限度の期間です。2年1か月・5年・10年のほか、「60才まで」「65才まで」など定年年令に合わせた長期の設定が可能です。この長さがGLTD最大の特徴で、短期の所得補償保険との本質的な違いです。
保険金額 被保険者の平均所得額の範囲内で月額の保険金額を設定します。契約方式には、保険金額を定額で設定する「定額型」と、給与(所得)に比例して設定する「定率型」があります。定率型では、公的給付等を差し引いてお支払いする取扱い(公的給付控除)を選択することもできます(補償内容で解説)。

各項目の名称・内容はご契約により異なります。正確な内容は「パンフレット」および「重要事項のご説明 契約概要のご説明・注意喚起情報のご説明」でご確認ください。

Why It Matters

なぜ必要か:公的保障は「1年6か月の壁」で細くなる

健康保険の傷病手当金は、支給額が標準報酬月額のおよそ3分の2、支給期間は支給開始日から通算1年6か月です(全国健康保険協会)。その後に頼れる障害年金は、障害等級や保険料納付要件などの受給要件があり、対象とならない場合もあります。

公的保障のみ 有給等 傷病手当金 (標準報酬月額の約3分の2) 収入の空白 障害年金等の対象とならなければ収入が途絶える GLTD導入後 給与水準(上限の目安) 有給等 傷病手当金 会社の制度分(全員加入型) 本人の上乗せ分(任意加入型・希望者) 免責期間(例:傷病手当金の終了に合わせて設定) 最長で定年年令まで。補償の厚さは設計次第 (本人の平均所得額の範囲内で設定) 就業障害の発生 支給開始から通算1年6か月 定年年令(60才・65才など) ※帯の高さは収入水準のイメージです。保険金額は被保険者の平均所得額の範囲内で設定します。 ※免責期間を短く設定し、傷病手当金の受給中から支払対象とする設計もあります。傷病手当金は健康保険の被保険者本人が対象です。
Fig. 01長期の就業障害時の収入イメージ(図は概念図であり、金額・期間・支払開始時期・上乗せの有無はご契約内容や公的制度の適用状況により異なります)

しかも、長期の療養は例外的な事象ではありません。傷病手当金の支給件数のうち39.15%は精神及び行動の障害によるもので全傷病中最多、その平均支給期間は215.28日と全傷病中最長です(全国健康保険協会「現金給付受給者状況調査報告(令和6年度)」)。また、精神及び行動の障害による退院患者の平均在院日数は290.4日と、全傷病分類でもっとも長くなっています(厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」・全体平均28.4日)。

「1年6か月あれば復帰できる」とは限らない。これが公的統計の示す実態です。傷病手当金の先の期間を制度としてどう支えるかが、GLTD導入検討の出発点になります。

傷病手当金・障害年金との関係をくわしく見る

Comparison

個人向けの就業不能保険・所得補償保険との違い

「働けなくなったときの収入に備える保険」には個人向け商品もあります。GLTDの位置づけを整理します。

観点 GLTD(団体長期障害所得補償保険) 個人向けの就業不能保険・所得補償保険
契約者 企業・団体(従業員等が被保険者) 個人
保険料水準 団体割引が適用され、個人加入より割安になりやすい 個人ごとの引受・保険料率(保険料)
補償期間 てん補期間を定年年令までなど長期に設定可能 商品により異なる(所得補償保険は1〜2年程度の短期が中心)
制度としての意味 福利厚生制度・健康経営の取り組みとして全社的に整備できる 加入するかどうかは従業員個人の判断に委ねられる

個人向け商品の内容は各社・各商品により異なります。上表は一般的な傾向の整理です。

FAQ

GLTDの基本に関するよくある質問

GLTDは何の略ですか?

Group Long Term Disability(団体長期障害所得補償保険)の略です。企業や団体が契約者となり、従業員を被保険者として、長期の就業障害による所得の喪失を補償します。

就業不能保険や所得補償保険とは何が違いますか?

個人で加入する就業不能保険・所得補償保険と補償の目的は同じですが、GLTDは企業が契約者となる団体契約です。団体割引が適用されるため保険料が割安になりやすく、告知手続きも簡素化される場合があります。また、てん補期間を定年年令までなど長期に設定できる点が、短期の所得補償保険との違いです。

役員やパート・アルバイトも対象にできますか?

加入対象の範囲は制度設計により定めます。役員を含める設計や、勤続年数・勤務時間などで対象範囲を定める設計についてもご相談ください。

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GLTDが自社に必要かどうかから、ご相談いただけます

現在の休職制度と従業員構成をお聞きすれば、公的保障で足りる範囲と不足する範囲を整理してご説明できます。ご相談・お見積りは無料です。

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