
総合福祉団体定期保険とは、企業が契約者となって保険料を負担し、役員・従業員を被保険者として原則全員加入させる1年更新の定期保険で、会社の弔慰金・死亡退職金規程にもとづく支給の財源を用意するための保険です。加入できる人数や保険金額は自社の規程と保険会社の団体要件で決まるため、規程がすでにある会社と、これから作る会社とでは検討の順序が変わります。この記事では、メリット・デメリット、何人から入れるか、保険金はいくら出るか、どんな会社に向くか、任意加入の団体定期保険との違いを公式資料を出典に説明します。
Summaryこの記事のポイント
- 総合福祉団体定期保険とは、企業が保険料を負担し、役員・従業員が原則全員加入する1年更新の定期保険で、弔慰金・死亡退職金規程の支給財源を準備する福利厚生の保険です。
- メリットは、規程の改定に合わせて毎年保障額を見直せること、医師の診査が原則不要で会社がまとめて告知する一括告知が基本であること、保険料が原則として期間の経過に応じて損金になることです。
- デメリットは、掛け捨てで貯蓄性がないこと、規程に支給の定めがない事由には保険金が出ないこと、保険金額が規程の支給額の範囲内に限られること、被保険者本人の同意が必要なことです。
- 加入人数や年齢の条件は保険会社と団体の区分で異なり、法令で一律には決まっていません。公式サイトで人数を明記している例では、企業単独の契約で10名以上とされています。
- 任意加入の団体定期保険との違いは、全員加入が原則か任意加入か、保険料を会社が負担するか本人が負担するか、規程の財源か自助努力かの3点です。
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総合福祉団体定期保険とは
総合福祉団体定期保険とは、企業などが、その所属員の遺族の生活保障のために、所属員(役員・従業員)を被保険者として加入させる全員加入が原則の1年更新の定期保険で、保険料は企業が負担します。生命保険協会『2025年版 生命保険の動向』は団体保険の商品種類をこのように定義しており、保険会社の公式説明でも、弔慰金・死亡退職金規程などの財源確保のために企業が契約者となり、役員・従業員などが全員加入する保険期間1年の定期保険と説明されています。実務では「総福」と略して呼ばれることがあります。
この保険が用意するのは、在職中の役員・従業員が死亡した場合や約款所定の高度障害状態になった場合に、会社が規程にもとづいて遺族へ支払う弔慰金・死亡退職金の財源です。三井住友海上あいおい生命の公式説明では、福利厚生規程(弔慰金・死亡退職金規程等)の円滑な運営のため、従業員が死亡または約款所定の高度障害状態になった場合に遺族へ支給する弔慰金や死亡退職金等の財源を確保する保険とされています。保険を先に選ぶのではなく、就業規則や弔慰金規程・死亡退職金規程で「誰に・いくら・どの事由で払うか」を決め、その金額に合わせて保障を置く順序になります。
契約の形は、契約者が企業、被保険者が役員・従業員で、主契約の死亡保険金の受取人は商品や契約形態により被保険者の遺族(規程に基づく支給金の受取人)または企業(団体)です。金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4-2-4は、全員加入団体定期保険について、遺族・従業員の生活補償という目的を明確にし、弔慰金等の支払財源を保障する部分を「主契約」、従業員の死亡に伴い企業が負担する代替雇用者の採用・育成費用など企業の経済的損失を保障する部分を「特約」として区分する考え方を示しています。監督指針は保険会社の業務運営に対する監督上の着眼点で、企業に直接義務を課すものではありませんが、この保険の主契約と特約が何のためにあるかは、この区分で理解すると整理しやすくなります。
全員加入型の団体定期保険を「Aグループ保険」、従業員が任意で加入する型を「Bグループ保険」と呼ぶことがあります。ただし、この呼び方は生命保険協会の統計や金融庁の監督指針には出てこない通称で、公式資料では「全員加入」「任意加入」で区別されています。資料を読み比べるときは、通称ではなく、全員加入か任意加入か、保険料を誰が負担するかで見分けます。
利用の規模も押さえておくと社内で説明しやすくなります。生命保険協会の同じ資料によると、2024年度の団体保険の保有契約高に占める総合福祉団体定期保険の構成比は22.0%、新契約高では13.8%です。企業の福利厚生保険として一定の規模で使われている制度ですが、規模の大きさと自社に合う設計かどうかは別の問題で、自社の規程と名簿を整えるほうが判断は早く進みます。
総合福祉団体定期保険のメリットは?
メリットは、規程に合わせて保障を毎年見直せること、加入時の手続が軽いこと、保険料が原則として損金になることの三つに整理できます。いずれも各社の公式説明や国税庁の資料で確認できる範囲の話で、特定の商品だけの特徴ではありません。
一つ目は見直しのしやすさです。保険期間が1年で、毎年の更新時に対象となる規程の改定などに合わせて保障額を見直せると、三井住友海上あいおい生命やメットライフ生命の公式説明にあります。弔慰金・死亡退職金の支給水準を改定したり、従業員数や年齢構成が変わったりしても、長期契約を解約せずに翌年の更新で合わせ直せます。
二つ目は手続の軽さです。加入にあたって医師の診査は原則として不要で、契約者である会社が加入者の状況をまとめて申告する一括告知が基本です。東京海上日動あんしん生命は法人による一括告知を基本としつつ、被保険者本人から個別に告知してもらう場合があるとしています。個人保険のように一人ずつ診査や告知書を集める手間が小さく、入社後の中途加入や契約内容の変更も契約者である会社を通じて手続します。
三つ目は税務上の扱いです。国税庁タックスアンサー No.5364によると、法人が契約者となり役員・使用人を被保険者とする定期保険の保険料は、受取人が法人の場合も被保険者やその遺族の場合も、原則として期間の経過に応じて損金に算入します。被保険者側は、所得税基本通達36-31の2により、会社が保険料を払ったことで受ける経済的利益はないものとされ、給与として課税されません。ただし、保険金の受取人が被保険者やその遺族である契約で、役員や部課長など特定の人だけを被保険者にしている場合は、保険料がその人の給与になります。全員加入が原則であることと税務上の扱いはつながっています。
これらに加えて、会社の資金繰りの面でも意味があります。死亡退職金や弔慰金は予告なく、まとまった額が一度に必要になります。内部留保だけで備えると、複数の支給が短期間に重なったときや勤続の長い従業員が高額の支給対象になったときに、事業資金を取り崩す判断が経営に乗ります。1年更新の保険で財源を外に持っておけば、支給水準を規程で設計しながら、単年度の保険料として費用を平準化できます。有配当型であれば、1年ごとの収支計算で剰余金が生じた場合に配当金が支払われることもありますが、配当金は毎年変動し、将来の支払いが約束されるものではありません。
総合福祉団体定期保険のデメリット・注意点は?
デメリットは、掛け捨てで貯蓄性がないこと、規程がなければ機能しないこと、本人の同意と保険会社の団体要件を満たす必要があることです。どれも設計のしかたで対処できるものですが、知らずに契約すると「払ったのに戻らない」「払われると思っていたのに出ない」という食い違いになります。
この表は、総合福祉団体定期保険の注意点ごとに、何が起きるかと、どの資料で確認するかをまとめたものです。
| 注意点 | 何が起きるか | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 掛け捨てで貯蓄性がない | 保険期間1年の定期保険で、満期保険金や積立のような戻りはない。退職金の積立や資産形成は別の制度で考える | 商品の契約概要・約款 |
| 規程に定めのない事由には支払われない | 対象規程上、弔慰金・死亡退職金が支払われない場合は保険金も支払われない。規程に高度障害の支給がなければ高度障害保険金も支払われない | 弔慰金規程、死亡退職金規程 |
| 保険金額は規程の支給額が上限 | 主契約の保険金額は規程に定める支給金額の範囲内で設定する。規程を超える保障は組めない | 規程の支給水準表、設計書 |
| 被保険者本人の同意が必要 | 同意がなければ契約は効力を生じない。同意しない従業員は加入者に含められない | 同意書の様式、不同意者の名簿 |
| 団体要件がある | 最低人数や加入年齢の条件は保険会社と団体区分で異なる。要件を下回ると契約・更新できないことがある | 商品資料、従業員名簿 |
| 配当金は変動する | 有配当型の配当金は加入者数や支払保険金で毎年変わり、0になることもある。無配当型が常に割安とは限らない | 設計書、過去の配当実績 |
| 在職中の保障 | 被保険者は規程の支給対象となる在職中の役員・従業員が基本。退職した人がどの時点で加入者でなくなるかは約款と名簿の運用で確認する | 約款、加入者名簿 |
表の7点のうち、上から3点は自社の規程で、下の4点は保険会社の資料で確認します。両方そろって初めて「いくら払われるか」が決まります。
掛け捨てである点は、デメリットというより性格の違いです。1年ごとの定期保険なので保険料は保障を買う費用として使われ、解約や満期で戻る積立部分を持ちません。退職金そのものの積立や資産形成を目的にするなら、企業型DCや中小企業退職金共済など別の制度と組み合わせて考えることになり、この保険は死亡・高度障害という突発的な支給に対する財源として役割を分けて置きます。
規程との関係は、注意点の中でいちばん見落とされやすいところです。第一生命の公式説明には、対象規程上、弔慰金・死亡退職金などが支払われない場合は保険金を支払わないと明記されています。日本生命の公式説明も、対象規程上、高度障害状態に対する補償がないときは高度障害保険金を支払わないとしています。保険会社の説明文は各社で違いますが、支給根拠が規程にあり、保険はその財源という構造は共通です。規程に書いていない事由を保険で補おうとしても、保険金が出る根拠がないことになります。
有配当型と無配当型の選び方も注意点に入ります。三井住友海上あいおい生命の公式説明では、有配当型は1年ごとの収支計算で剰余金が生じた場合に配当金が支払われる一方、配当金は加入者数、支払保険金額、保険会社の決算などで毎年変動し、将来の支払いが約束されるものではありません。無配当型は配当金をなくして保険料を抑え、福利厚生費の予算を平準化しやすい設計ですが、配当金を加味した有配当型の実質負担額と比べて常に割安になるとは限りません。住友生命の公式説明は、無配当型では配当金の受入れ事務が発生しない点を挙げています。表面の保険料だけで選ばず、想定する加入者数と年齢構成を入れた設計書で数年分を比べるのが確実です。
加入条件は?何人から入れるか
加入条件は保険会社と団体の区分で異なり、法令で一律に「何人から」と決まってはいません。金融庁の監督指針 IV-1-15は、保険会社が団体保険を扱うときに、一契約の最低被保険者数、最高保険金額倍数、最低加入率などの団体要件を定める必要がある場合は適切に定め、全員加入団体と任意加入団体の区分に応じて明確にしているかを着眼点としています。最低人数は保険会社ごとの引受ルールであって、商品資料で確認する事項です。
公式サイトで人数を明記している例として、東京海上日動あんしん生命は、企業単独(第I種団体)の契約では新規契約時と更新時に10名以上の被保険者が必要で、加入年齢は14歳6か月超から70歳6か月以下としています。一方、2026年11月時点で確認した第一生命、日本生命、住友生命、明治安田生命、メットライフ生命、三井住友海上あいおい生命の公式サイトには、最低人数や加入年齢の記載がありませんでした。「10名以上」はあくまで公式に明記している一社の例で、他社も同じとは限らないため、見積りを取る段階で加入予定者数と年齢構成を伝えて確認します。
対象になるのは、規程の適用を受ける役員・従業員です。東京海上日動あんしん生命の公式説明では、加入対象者は社内規程に基づく弔慰金や死亡退職金等の支給対象者で、そのうち正常に就業し、加入に同意した人に全員加入するとされています。加入日に正常に就業していることといった条件は引受条件の一つで、内容は商品ごとに確認します。パート・アルバイトや契約社員を含めるかは、保険会社の商品条件と自社の規程の両方で決めます。含めるときも除くときも、雇用区分、勤務時間、雇用期間、休職時の扱いを規程に書き、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第8条が禁じる不合理な待遇差にあたらないかを社会保険労務士と確認しておくと、導入後の説明がしやすくなります。役員を含めるかもこの段階で決めます。役員向けの弔慰金・死亡退職金は役員退職慰労金規程や株主総会・取締役会の決議と結びつくため、従業員分より税務と手続の確認を厚くします。
告知のしかたも加入条件の一部です。契約者である会社が加入者の状況をまとめて申告する一括告知が基本ですが、加入者数や保険金額などの条件によっては被保険者本人の個別告知を求める商品もあります。保険法第37条は、保険契約者または被保険者になる者は、保険者が告知を求めた事項について事実の告知をしなければならないと定めており、一括告知でも告知の中身が事実と違えば後の支払いに影響します。自社が選ぶ商品の告知方式と引受条件は、名簿と商品資料を突き合わせて確認します。
従業員が同意しない場合はどうなる?
同意しない従業員は加入者に含められず、その人の弔慰金・死亡退職金の財源は保険以外で用意することになります。保険法第38条は、生命保険契約の当事者以外の者を被保険者とする死亡保険契約は、当該被保険者の同意がなければその効力を生じないと定めています。会社が契約者となり従業員を被保険者にする総合福祉団体定期保険はまさにこの形なので、同意は手続上の形式ではなく、契約の効力そのものに関わります。
同意しない人が出ることは制度上も想定されています。金融庁の監督指針 IV-1-17 は、全員加入団体定期保険について保険会社が同意を確認する方法として、被保険者となる者全員の同意の記録のほかに、契約内容を全員に通知した旨の確認の記録と「被保険者となることに同意しなかった者の名簿」を組み合わせる方法を例示しています。東京海上日動あんしん生命の公式説明にも、加入に同意した人に全員加入してもらう旨の記載があります。同意を取るときは、監督指針 II-4-2-4 が示すように、受取人や保険金額など契約の内容を被保険者が確実に認識できるよう、保険会社からの書面交付や確認の記録を残す措置が取られるのが通常で、会社側もその前提で従業員に説明します。保険会社の案内でも、新規契約のときだけでなく、契約内容の変更や中途加入のときに同意確認が必要とされています。
会社側で決めておくのは二つです。一つは規程上の支給で、保険は財源、規程は支給根拠と役割が別なので、規程が弔慰金・死亡退職金の支給を定めていれば、同意しない人についても会社の支給義務は残り、その分は自己資金で用意します。もう一つは名簿で、同意の有無を加入者リストに記録し、同意していない人が加入者として残っていないかを更新のたびに確かめます。同意しない従業員に不利益な扱いをしてよいかや、規程にどう書くかは労務上の論点で、社会保険労務士と確認してください。同意書の取り方、本人への説明のしかた、従業員側から見た「何に同意するのか」「自分の負担はあるのか」という疑問への答えは、従業員が同意しない場合の扱いと同意書の取り方で詳しく扱っています。
保険金はいくら出る?金額の決まり方
保険金の額は、自社の弔慰金・死亡退職金規程で定めた支給額を上限に、契約時に設定した保険金額の範囲で決まります。「1人いくら」と保険会社が決めるのではなく、規程が先にあって、その金額を裏づける形で保険金額を置くのがこの保険の組み立てです。
東京海上日動あんしん生命の公式説明では、主契約の保険金額は福利厚生規程に定める支給金額の範囲内で設定し、支払う保険金は規程の支給額を超えず、加入している保険金額が上限とされています。規程の支給額と加入保険金額の少ない方が実際の支払額になると考えると分かりやすく、規程の支給額が保険金額を上回る部分は会社の自己資金から支給することになります。金融庁の監督指針 II-4-2-4 も、主契約部分の保険金額は災害・遺族補償規定等に基づく支給金額を上限とし、企業の経済的損失を保障する特約部分は主契約の保険金額を上限(ただし2,000万円を上限)とする措置を着眼点としています。
規程の支給額に段階があれば、保険金額もそれに合わせます。たとえば死亡退職金規程で、勤続年数や役職に応じて300万円、500万円、1,000万円と支給水準を分けているなら、加入者リストと保険金額もその区分に連動させて組みます。全員を同じ金額にする方法と、勤続年数・役職・年齢などで段階を設ける方法のどちらを取るかは規程の書き方しだいで、保険が先に決まるものではありません。規程に高度障害時の支給を定めていなければ高度障害保険金が支払われない点も、金額を決めるときに規程側で確認します。弔慰金規程の項目の立て方、業務上と業務外で支給額を分ける基準、規程の支給額と保険金額の合わせ方は、弔慰金規程と保険金額の合わせ方で具体的に扱っています。
誰が受け取るかで、社内の動き方が変わります。主契約の死亡保険金の受取人は、商品や契約形態により被保険者の遺族(規程に基づく支給金の受取人)または企業(団体)です。監督指針 II-4-2-4 は、主契約部分は全額を従業員の遺族に支払い、企業がいったん受け取ったうえで遺族に支払う場合は遺族の了知を確認のうえ支払うことを着眼点としています。会社が受け取る設計では、保険金を受け取る立場と、規程にもとづいて遺族へ支給する立場を会社が同時に持ち、入金から支給までが二段構えになります。
この表は、死亡保険金を法人が受け取る場合と遺族が受け取る場合で、社内の手続がどう変わるかを比べたものです。
| 確認する項目 | 法人(団体)が受け取る場合 | 被保険者の遺族が受け取る場合 |
|---|---|---|
| 資金の流れ | 保険金がいったん会社に入り、規程に基づき会社から遺族へ弔慰金・死亡退職金として支給する | 保険金が規程上の受取人である遺族へ直接渡る |
| 社内手続 | 入金確認、支給決議、遺族の了知確認、支給申請の受理まで会社が動く | 支給申請の受理と、規程上の受給資格の確認が中心 |
| 必要書類 | 保険金請求書類に加え、社内の支給申請書・決裁記録・遺族の了知を示す書類 | 保険金請求書類に加え、規程上の受給資格を示す書類 |
| 税務の確認 | 会社側の益金・損金処理と、遺族側の課税を分けて確認する | 主に遺族側の課税(死亡退職金・弔慰金)を確認する |
| 見ておく点 | 入金と支給のタイミング差、支給までの会社の資金繰り | 規程が定める受取人と保険の受取人指定がずれていないか |
自社の決裁の速さと遺族対応の負荷を見て、どちらのルートが規程の運用に合うかを決めます。遺族受取では、規程が定める受取人の順位と保険の受取人指定を一致させておくことが前提です。
保険料の額は、この記事では扱いません。保険料は加入者の人数と年齢構成、設定する保険金額で保険会社が算出し、毎年の更新で見直されるため、設計書で確認する数字です。見積りを依頼するときは、加入予定者の年代別の人数と、規程から導いた保険金額を保険会社に伝えることになります。
総合福祉団体定期保険を導入すべき会社・向かない会社
向いているのは、弔慰金・死亡退職金の規程がある、またはこれから作る予定があり、保険会社の団体要件を満たす人数の役員・従業員がいる会社です。逆に、規程を作るつもりがない会社や、一部の役員だけに保障を厚くしたい会社には合いません。
規程がある会社にとっては、規程で約束した支給の財源を外部に持つ手段になります。退職金制度そのものは中小企業でも珍しくありません。厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は74.9%で、従業員30〜99人規模でも70.1%です。同調査で、制度がある企業のうち「退職一時金制度のみ」は69.0%、「退職年金制度のみ」は9.6%、「両制度併用」は21.4%で、一時金型が主流です。死亡退職金は一時金規程と接続して設計されることが多く、この保険はその規程に死亡・高度障害時の財源を重ねるものとして検討します。退職金制度を含めた福利厚生全体を制度から設計する考え方はスタートアップ・中小企業の福利厚生を制度から整える記事で、福利厚生としての死亡保障を対象者・保障額・規程の順に設計する考え方は福利厚生としての死亡保険の制度設計で扱っています。
規程がまだない会社は、保険より先に規程を作るかどうかを決めます。保険加入と社内の支給は別の話で、規程がないまま保険だけを契約すると、受取人や支給名目、税務の確認が後追いになり、支給の場面で判断がぶれます。今回は加入せず、規程と名簿の整備だけを先に進めるという結論になっても構いません。
向かない会社の典型は二つです。一つは、特定の役員や幹部だけに死亡保障を厚くしたい会社です。この保険は全員加入が原則で、国税庁タックスアンサー No.5364 でも、受取人を被保険者やその遺族とする契約で役員や部課長など特定の人だけを被保険者にすると保険料がその人の給与として扱われるとされているため、目的に合いません。経営者個人の保障や事業承継資金は、経営者保険など別の設計で考えます。もう一つは、保険料を積み立てて退職金の原資にしたい会社です。掛け捨ての定期保険なので積立の機能はなく、積立目的には別の制度を使います。
健康経営優良法人の認定を受けている会社は、認定状況を保険料率に反映する商品があるかを保険会社に確認する価値があります。これは保険会社ごとの商品差で、申し出や更新時の確認が条件になる場合があるため、制度担当者と保険担当者が同じ更新時期を見ておくと漏れを防げます。
総合福祉団体定期保険と団体定期保険の違い
違いは、全員加入が原則か任意加入か、保険料を会社が負担するか本人が負担するか、会社の規程の財源か従業員の自助努力かの3点です。生命保険協会の区分では、団体定期保険は企業等がその所属員の福利厚生のために導入する任意加入型の商品で、加入希望者が被保険者となり保険料を負担するもの、総合福祉団体定期保険は企業等が保険料を負担し、所属員を被保険者として加入させる全員加入が原則の1年更新の定期保険です。
この表は、総合福祉団体定期保険と任意加入型の団体定期保険を、加入のしかた・保険料負担・目的・団体要件の例・税務・規模の6点で比べたものです。
| 比べる点 | 総合福祉団体定期保険 | 団体定期保険(任意加入型) |
|---|---|---|
| 加入のしかた | 全員加入が原則(同意した人で全員加入) | 任意加入。加入を希望する人が被保険者になる |
| 保険料の負担 | 企業が負担する | 加入者本人が負担する |
| 目的 | 弔慰金・死亡退職金規程の支給財源(遺族の生活保障) | 従業員の自助努力による遺族保障 |
| 団体要件の例(東京海上日動あんしん生命の公式説明) | 企業単独の場合、被保険者10名以上 | 企業単独の場合、最低50名以上かつ加入有資格者全体の35%以上の加入 |
| 保険料の税務 | 法人の保険料は原則として期間の経過に応じて損金。被保険者に給与課税なし | 本人が払う保険料は一般の生命保険料控除の対象 |
| 2024年度の団体保険保有契約高に占める構成比 | 22.0% | 23.7% |
団体要件の行は公式サイトで数値を明記している一社の例で、他社では異なります。税務の行は国税庁タックスアンサー No.5364 と生命保険文化センターの解説によります。
任意加入型の具体像は、東京海上日動あんしん生命「任意加入型 団体定期保険」の公式説明が分かりやすく、加入者が保険料を負担する自助努力による制度のため法人の保険料負担はなく、契約の成立には加入者数が団体の種類別に定められた最低数以上で、かつ加入有資格者の一定割合以上であることが必要とされています。第一生命や住友生命の公式説明でも、団体定期保険は役員・従業員が任意で加入し保険料を本人が負担する自助努力型とされています。生命保険文化センターの解説は、団体定期保険の保険料が一般生命保険料控除の対象になることと、退職した場合は加入対象外となり保障がなくなる場合があることに触れています。
注意したいのは、「団体定期保険」という言葉が、総合福祉団体定期保険を含む広い意味で使われることもある点です。生命保険協会の統計は両者を別の商品種類として集計していますが、一般の解説では企業が契約者となる定期保険をまとめて団体定期保険と呼ぶことがあり、名称だけで比べると取り違えが起きます。資料を見るときは、加入対象者が規程の支給対象者か、保険金額が規程の支給額の範囲内か、受取人が遺族か企業か、主契約と特約がどう区分されているかの4点を確認すると、どちらの型の話をしているかがはっきりします。
導入は規程、名簿、保険の順で進める
導入作業は、保険商品の比較からではなく、社内規程と対象者の棚卸しから始めるのが現実的です。死亡退職金規程や弔慰金規程に、対象者、支給事由、支給水準、上限、遺族の範囲、申請書類、支給決裁者が書かれていないまま保険だけを契約すると、支給の場面で判断がぶれます。順序は、規程で支給ルールを固め、次に対象者と金額が分かる名簿を整え、最後にその金額を裏づける保険を選ぶ流れです。
この表は、対象者・支給額・受取人・異動反映の4点について、規程と保険の加入者リストのずれを見つけるためのものです。
| 確認する線引き | 実務で見たいこと | 突き合わせる資料 |
|---|---|---|
| 誰を対象にするか | 役員、正社員、契約社員、パート・アルバイト、休職者、入社直後の扱いを規程で分ける | 就業規則、雇用区分一覧、従業員名簿 |
| いくら支払うか | 勤続年数、役職、死亡原因、上限額と保険金額がずれていないかを見る | 弔慰金規程、死亡退職金規程、役員退職慰労金規程 |
| 誰が受け取るか | 遺族受取か法人受取かで、社内の支給フロー、必要書類、税務の確認が変わる | 受取人設定案、支給申請書、社内決裁フロー |
| 異動をどう反映するか | 入退社、休職、雇用区分変更、役員の就任・退任を更新時に反映する | 人事異動リスト、加入者リスト、更新スケジュール |
4行のどこかで規程と名簿が食い違っていれば、そこが支給時にもめる箇所です。
名簿へ人を足すだけでなく、その人の同意・告知が済んでいるかまでを一組で管理すると、更新時の抜けを防げます。一括告知で足りるのか、本人の個別告知が要るのかは商品ごとに違うので、一般論で「会社がまとめて手続する」と決めつけず、自社の名簿と商品資料を突き合わせて確認します。金融庁の監督指針 IV-1-17 では、保険会社が契約者から「保険契約の目的となる遺族補償規定等の書類」を確認することが同意確認の方法に含まれており、保険金額の基になる規程は保険会社側でも参照されます。規程を改定したときは、人事と保険担当者で最新版を共有し、保険会社への連絡を忘れないようにします。
保険金が支払われない・減額されるのはどんなときか
保険金は、約款に定める支払事由に該当し、告知が正確で、免責事由に当たらず、必要書類がそろって初めて支払われます。会社側が「福利厚生で入っているのだから当然払われる」と考えていても、保険会社は死亡や高度障害の事実、その原因、発生時期、加入者該当を一つずつ確認します。
まず告知です。加入時に被保険者の健康状態などについて事実と異なる告知があると、告知義務違反として契約や加入が解除され、保険金が支払われないことがあります。一括告知でも個別告知でも、健康状態が正確に伝わっているかが後の支払審査に効いてきます。次に免責事由です。保険法第51条は、被保険者の自殺、保険契約者や保険金受取人が被保険者を故意に死亡させたとき、戦争その他の変乱による死亡を保険者が免責される場合として挙げており、実際にどの範囲を免責とするか(たとえば加入から一定期間内の自殺)は各社の約款で定まります。総合福祉団体定期保険でも、免責の範囲は商品の約款で確認する対象です。
高度障害での請求は、死亡よりも約款該当性の立証が重くなりがちです。高度障害保険金は約款所定の状態に該当することが要件で、日常の感覚での「重い障害」とは基準が別です。両眼の視力や言語・そしゃく機能、四肢の機能など、約款が列挙する状態と医師の診断が結びつくかが審査され、診断書や検査資料が求められます。会社としては、被保険者側で用意する資料が何かを早く把握し、遺族や本人の負担を軽くする支援に回ると、請求が滞りにくくなります。
発生時期と加入者該当も見落とせません。保障は被保険者が加入者である期間の事由に対して働くため、退職後や加入前の事由は原則として対象外です。名簿の更新が遅れて退職済みの人が加入者として残っていても、保障されるのは加入者である期間の事由に限られます。逆に、入社したばかりで名簿へ追加していなかった従業員に万一のことがあれば、加入手続と同意・告知が済んでいなければ支払いにはつながりにくくなります。名簿の正確さは事務の丁寧さの問題ではなく、支払われるかどうかの前提そのものです。
税務の扱い: 保険料の損金算入と遺族側の課税
保険料は原則として期間の経過に応じて損金になり、遺族が受け取る死亡退職金と弔慰金にはそれぞれ別の非課税の枠があります。ここでは会社側と遺族側に分けて、国税庁の資料で確認できる範囲を示します。以下は2026年11月時点の内容で、個別の取扱いは税理士に確認してください。
会社側の保険料は、国税庁タックスアンサー No.5364 と法人税基本通達9-3-5のとおり、受取人が法人でも被保険者・遺族でも、原則として期間の経過に応じて損金に算入します。受取人が被保険者・遺族の契約で、特定の役員・使用人だけを被保険者にしている場合は給与になります。特約の保険料も、その特約の内容に応じて同じ考え方で扱います(同通達9-3-6の2)。保険期間が3年以上で最高解約返戻率が50%を超える定期保険に適用される資産計上のルール(同通達9-3-5の2)は、保険期間1年の総合福祉団体定期保険には通常当てはまりませんが、自社の契約が該当しないかは約款で確認します。保険料は消費税の非課税取引です(国税庁タックスアンサー No.6201)。
有配当型の配当金は、法人税基本通達9-3-8により、配当の通知を受けた日の属する事業年度の益金に算入します。東京海上日動あんしん生命の公式説明でも、配当金を支払う旨の通知があったときは全額を雑収入として、その通知があった日の属する事業年度の益金に算入するよう案内されています。保険金を会社が受け取った場合も全額を雑収入として益金にし、規程にもとづいて遺族へ死亡退職金・弔慰金として支給します。役員分の退職給与は、法人税基本通達9-2-28により株主総会の決議等で額が確定した日の属する事業年度の損金になり、法人税法第34条第2項により不相当に高額な部分は損金に算入されません。保険料の支払時から配当金の通知、保険金の受取、遺族への支給までを時系列で追った仕訳と勘定科目の考え方は、総合福祉団体定期保険の配当金の会計処理と勘定科目で扱っています。
遺族側は、死亡退職金と弔慰金を分けて考えます。国税庁タックスアンサー No.4117によると、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した死亡退職金などは相続税の課税対象となり、非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」です。相続人以外の人が取得した退職手当金等には非課税の適用がありません。国税庁タックスアンサー No.4120によると、弔慰金は通常は相続税の対象になりませんが、業務上の死亡では死亡当時の普通給与の3年分、業務上の死亡でないときは普通給与の半年分を超える部分は退職手当金等として扱われます。弔慰金が実質上退職手当金等に当たるかは、退職給与規程など規程の定めに基づいて受ける場合はその規程により判定されるため、規程で弔慰金と死亡退職金の名目・金額を分けておくと、遺族側の課税を説明しやすくなります。相続税法基本通達3-25は、退職手当金等の支給を受ける者が規程で具体的に定められている場合はその者とするため、規程に受給者の順位を書くことには税務上の意味もあります。
導入後の運用で見るポイント
加入時に同意を取って終わりではなく、名簿と規程を実態に合わせ続ける運用が続きます。入社、退職、休職、役員の就任・退任、雇用区分の変更のたびに加入者リストを更新し、更新のタイミングで保険会社へ最新の名簿を渡します。名簿と規程がずれたまま万一のことが起きると、支給根拠を説明する負荷が大きくなります。
このチェックリストは、契約更新の前に名簿のどこを直すかを漏れなく確認するためのものです。
- 入社した従業員を加入者リストに追加し、同意・告知の取得まで済ませたか
- 退職者を加入者リストから外したか
- 雇用区分の変更(パート→正社員など)を対象判定に反映したか
- 休職・出向者の扱いを規程と保険で一致させたか
- 役員の就任・退任を対象と保険金額に反映したか
- 規程を改定したときに、保険金額を見直し、改定後の規程を保険会社へ伝えたか
- 更新時に最新の従業員名簿・役員名簿を保険会社へ提出したか
事故はいつ起きるか選べないので、更新を待たずに人事異動の都度このリストで名簿を直します。
那由他保険テクノロジーズが総合福祉団体定期保険の導入・見直しでご支援できること
ここまでの内容をたどっても、会社ごとに残る論点は三つあります。第一に、弔慰金規程・死亡退職金規程の支給水準と、実際の従業員名簿・役員名簿に載っている人の雇用区分や入社日が噛み合っているか。第二に、死亡保険金を法人受取と遺族受取のどちらで置いたときに、自社の支給申請書と決裁フローが止まらずに回るか。第三に、一括告知か個別告知か、最低人数や加入年齢といった引受条件を自社の名簿の実態で満たせるか。この三つは商品資料にも規程にも単独では書かれておらず、両方を並べて初めて判断できます。
那由他保険テクノロジーズは、福利厚生制度設計の支援として、規程の支給水準と名簿の実態を同じ表に並べ、勤続年数・役職ごとの支給水準と主契約保険金額のずれ、パート・アルバイトや契約社員、休職者、入社直後の従業員を含めるか除くかが規程に書かれているかを確認します。受取人については、法人受取・遺族受取それぞれで、入金確認から支給決議、遺族の了知確認、支給申請の受理までの流れを自社の決裁フローに重ね、規程が定める受取人と保険の受取人指定が一致しているかを見ます。保険プログラム設計の支援としては、各社の商品資料と「契約概要・注意喚起情報」「ご契約のしおり・約款」から、告知方式、最低人数や加入年齢などの引受条件、有配当型と無配当型、特約の要否を同じ項目でそろえ、想定加入者数と年齢構成を入れた設計書を並べて比べられる状態にします。既存の法人契約に含まれる死亡保障との重複や不足も同じ表で確認し、見直しの観点は法人保険の見直し記事で扱っています。
生命保険については、当社は保険契約締結の媒介を行う立場で、契約の締結や告知の受領を代理する権限はありません。引受条件や保険料が資料どおりに通ることをお約束するものではなく、規程の条文の新設・改定や待遇差の説明は社会保険労務士、保険料の損金算入や死亡退職金・弔慰金の課税の判断は税理士、役員分の支給根拠となる決議は貴社の意思決定に戻す前提で進めます。制度づくりが構想段階でも、何が決まっていて何が未定かを一緒に洗い出すところから始められますので、規程や名簿が整理できていない状態のままお問い合わせください。
弔慰金・死亡退職金の財源設計
規程の支給額と保険金額のずれを、名簿と並べて確認する
規程がまだない段階でも、対象者の線引きと受取人の置き方から一緒に整理します。
よくある質問
総合福祉団体定期保険とは何ですか。総福とは同じものですか
企業が契約者となって保険料を負担し、役員・従業員を被保険者として原則全員加入させる1年更新の定期保険です。会社の弔慰金・死亡退職金規程にもとづく支給の財源を用意する福利厚生の保険で、実務では「総福」と略して呼ばれることがあります。主契約の死亡保険金の受取人は、商品や契約形態により被保険者の遺族(規程に基づく支給金の受取人)または企業(団体)です。
総合福祉団体定期保険のデメリットは何ですか
保険期間1年の掛け捨てで貯蓄性がないこと、規程で支給を定めていない事由には保険金が支払われないこと、保険金額が規程の支給額の範囲内に限られること、被保険者本人の同意が必要なこと、保険会社ごとの加入人数や年齢の条件を満たす必要があることです。有配当型の配当金は毎年変動し、将来の支払いが約束されるものではありません。
従業員が加入に同意しない場合、どうすればいいですか
他人を被保険者とする死亡保険契約は、被保険者の同意がなければ効力を生じないと保険法38条が定めています。同意しない従業員は加入者に含めず、同意しなかった人の名簿を残す確認方法が金融庁の監督指針に例示されており、同意した人で全員加入とする商品もあります。保険の加入とは別に、規程が弔慰金・死亡退職金の支給を定めていれば会社の支給義務は残るため、その財源は自己資金で用意することになります。同意書の取り方や不同意者への説明は、関連記事で詳しく扱っています。
団体定期保険と総合福祉団体定期保険の違いは何ですか
生命保険協会の区分では、団体定期保険は加入希望者が被保険者となり本人が保険料を負担する任意加入型、総合福祉団体定期保険は企業が保険料を負担し所属員が全員加入するのが原則の1年更新の定期保険です。前者は従業員の自助努力による遺族保障、後者は会社の弔慰金・死亡退職金規程の財源という目的の違いがあります。全員加入型を「Aグループ」、任意加入型を「Bグループ」と呼ぶことがありますが、公式資料では「全員加入」「任意加入」で区別されています。
総合福祉団体定期保険は何人から加入できますか
最低人数は法令で一律に決まっておらず、保険会社が団体の区分ごとに定めています。公式サイトで明記している例では、東京海上日動あんしん生命が企業単独の契約について新規契約時と更新時に10名以上の被保険者が必要としています。他の保険会社は公式サイトに人数を明記していない場合が多いため、見積りの段階で保険会社に確認します。
保険金はいくらもらえますか
保険金の額は、会社の弔慰金・死亡退職金規程で定めた支給額と、契約時に設定した保険金額の少ない方が上限です。規程で勤続年数や役職に応じて支給額を分けていれば、保険金額もそれに合わせて設定されます。規程に支給の定めがない事由では保険金は支払われません。
総合福祉団体定期保険は掛け捨てですか。配当金はありますか
保険期間1年の定期保険で、満期保険金や積立のような貯蓄性はなく、いわゆる掛け捨て型です。有配当型では1年ごとの収支計算で剰余金が生じた場合に配当金が支払われますが、加入者数や支払保険金の状況で毎年変動し、0になることもあります。無配当型は配当金をなくして保険料を抑える設計で、有配当型の実質負担額と比べて常に割安になるとは限りません。
参考一次情報・公的資料
- 生命保険協会『2025年版 生命保険の動向』(団体保険の商品種類の定義・保有契約高と新契約高の内訳)
- 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4-2-4 他人の生命の保険契約について
- 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」IV-1-15 団体保険又は団体契約の取扱い/IV-1-17 他人の生命の保険契約に係る被保険者同意の確認
- 保険法(平成20年法律第56号)第37条・第38条・第51条(e-Gov法令検索)
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第8条(e-Gov法令検索)
- 三井住友海上あいおい生命「総合福祉団体定期保険 無配当総合福祉団体定期保険」
- 東京海上日動あんしん生命「総合福祉団体定期保険」
- 東京海上日動あんしん生命「任意加入型 団体定期保険」
- 第一生命「総合福祉団体定期保険」
- 日本生命「在職中の従業員の死亡保障」
- 住友生命「企業の福利厚生としての保障」
- メットライフ生命「総合福祉団体定期保険[有配当型]」
- 生命保険文化センター「団体定期保険について知っておきたいこと」
- 国税庁「No.5364 定期保険及び第三分野保険に係る保険料の取扱い」
- 国税庁 法人税基本通達 9-3-5・9-3-5の2・9-3-6の2・9-3-8
- 国税庁 法人税基本通達 9-2-28(役員に対する退職給与の損金算入の時期)
- 国税庁 所得税基本通達 36-31の2(使用者契約の定期保険に係る経済的利益)
- 国税庁「No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金」
- 国税庁「No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い」
- 国税庁 相続税法基本通達 3-19・3-20・3-25
- 国税庁「No.6201 非課税となる取引」
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 退職給付(一時金・年金)制度」
情報確認日:2026年11月2日
執筆:中村 祐太朗(那由他保険テクノロジーズ株式会社 Risk & Benefits事業 執行役員/損害保険・生命保険募集人)|編集:那由他保険テクノロジーズ株式会社 編集部|最終更新日:2026年11月2日
本記事は特定の保険商品を説明するものではなく、総合福祉団体定期保険の一般的な仕組みを公開資料にもとづいて解説したものです。加入条件、保険金額、保険料、保険金の支払いは保険会社・約款・契約条件により異なります。税務・労務の個別判断は税理士・社会保険労務士にご確認ください。