事業継続力強化計画の無料支援|支援範囲と修正対応で選ぶ相談先

事業継続力強化計画は、中小企業者等が策定する防災・減災の事前対策計画を国が認定する制度です。中小企業庁の地域別認定件数一覧(2026年7月17日更新)によると、2026年6月末時点の累計認定件数は100,864件に達しています。制度が広がる一方で、「どこに相談すれば無料で進められるのか」「無料の支援はどこまで面倒を見てくれるのか」が分かりにくい、という声は少なくありません。

制度概要・申請手順・認定件数は、中小企業庁の制度ページ申請方法ページ地域別認定件数一覧を参照しています。復旧資金と保険の統計は、関東経済産業局のリスクファイナンス資料日本損害保険協会の中小企業調査に基づきます。

この記事は、無料か有料かではなく、支援範囲と修正対応という実務の軸で相談先を比較し、自社に合う選び方を整理するためのものです。あわせて、那由他保険テクノロジーズが無料で提供する策定支援が、どのような考え方で設計されているかも説明します。

この記事の要点

  • 無料支援は「無料の範囲」「申請操作の手伝い」「認定後の修正対応」で中身が大きく変わります。
  • 比較の軸は料金の有無ではなく支援範囲。違いを表で整理しました。
  • 計画は作って終わりではなく、災害時に資金の備えとして機能するかが分かれ目です。
  • 保険金は自動では支払われません。請求のときに何をどこまで書類で説明することになるのかを、計画づくりの段階から押さえておきます。

事業継続力強化計画(ジギョケイ)の策定を支援しています

認定取得までの策定支援は無料です

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事業継続力強化計画とは——まず制度の事実を押さえる

中小企業庁は、事業継続力強化計画を、中小企業者等が策定する防災・減災の事前対策計画として認定する制度と説明しています。自然災害や感染症などで事業が止まるリスクにあらかじめ備え、被害の軽減と早期復旧の体制を計画に落とし込むものです。

計画に盛り込むのは、大きく分けて、想定する災害リスク、発災直後の初動対応の体制、人員・設備・資金・情報といった経営資源をどう守り代替するか、そして平時からの推進体制の四つです。国が示す様式に沿って自社の実情を書き込んでいく形式のため、白紙から設計するのに比べれば着手の負担は大きくありません。どの相談先を使うにしても、この四本柱を自社の言葉で埋められるかどうかが、計画の実用性を左右します。

認定を受けると、税制や金融、補助金の加点などの支援策の入り口になる場合があります。ただし対象や条件は制度ごとに定められているため、自社が該当するかは個別に確認が必要です。制度の位置づけは事業継続力強化計画とは?BCPとの違いと使い方もあわせてご覧ください。

自社に関係あるか——「うちは小さいから」で外さない

事業継続力強化計画は、中小企業・小規模事業者が広く対象になる制度です。工場、クリニック、小売店、物流会社、SaaSチームなど、業種や規模を問わず、「止まると困る業務」を抱える事業者に関係します。累計100,864件という認定の広がりは、特別な大企業だけの制度ではないことを示しています。

むしろ、代替要員や予備設備を持ちにくい小規模事業者ほど、一度の被災が事業全体の停止に直結しやすいという面があります。「規模が小さいから関係ない」ではなく、「小さいからこそ止まると痛い」という視点で見ておくと、限られた時間をどの備えに振り向けるかの優先順位を判断しやすくなります。

相談先を選ぶ前に、まず「自社が対象になるか」「どの業務が止まると事業に響くか」を粗くでも見立てておくと、支援を受けたときの精度が上がります。対象の詳しい確認は、事業継続力強化計画の対象企業とは?申請前の確認を参考にしてください。

なぜ「計画」だけでなく「手段」が要るのか——効くのは資金の備え

計画は、作ること自体がゴールではありません。関東経済産業局は、復興時に役立った対策の約8割が資金面の対策だった一方で、半数以上の事業者が災害発生時の対策資金を十分に把握していないと紹介しています。いざというときに効くのは資金の備えなのに、その現状を把握できていない事業者が多い、ということです。

たとえば、浸水した設備を入れ替える、店舗の内装をやり直す、復旧までの数か月分の固定費と人件費を手当てするといった場面では、まとまった資金が短い期間で必要になります。手元資金や借入だけで賄えるのか、保険や共済でどこまで穴を埋められるのかを計画の段階で数字にしておくかどうかで、有事の動き方は大きく変わります。ここを曖昧にしたまま計画を完成させても、被災後に「結局、資金がどこから出るのか分からない」という状態に陥りがちです。

だからこそ、計画づくりでは「どんなリスクがあるか」を書くだけでなく、「止まったときにいくら要り、どこから資金を出すのか」という手段まで踏み込む価値があります。損害保険や共済は、その手段の一つです。相談先を選ぶ際も、リスクの列挙で止まるのか、資金の出どころまで一緒に考えてくれるのかは大きな分かれ目になります。

無料支援の選択肢を、支援範囲と修正対応で比べる

無料支援と一口に言っても、対応の中身はさまざまです。比べるべきは料金の有無ではなく、「無料の範囲」「申請操作をどこまで手伝うか」「認定後の見直しや修正に付き合うか」です。主な相談先を、この軸で並べたのが次の表です。

相談先無料の範囲申請操作(GビズID・電子申請)の手伝い認定後・修正対応保険契約の要否向いている人
よろず支援拠点・商工会議所/商工会相談・助言が中心案内は受けられる。操作代行まで行うかは窓口により異なるため要確認都度相談は可能。継続的な伴走の有無は窓口・担当者により異なるため要確認不要まず公的窓口で概要をつかみたい
専門家派遣制度派遣回数の範囲で無料になる場合専門家により対応が異なる派遣回数に上限が設けられている場合が多く、超過後の進め方は制度により異なるため要確認不要回数限定でも専門家に見てほしい
民間の作成代行(有料)無料ではない操作まで代行する場合が多い契約範囲内で対応(範囲外は追加費用の場合)不要着手する社内時間が確保できない
那由他の無料策定支援計画づくりの伴走を無料で提供GビズID取得・電子申請の進め方を案内認定後の見直しや更新の相談にも対応保険契約は前提としない資金の備えまで含めて自社で使える計画にしたい

公的窓口や専門家派遣は、まず概要をつかむのに向いています。作成代行は社内の着手時間が取れないときに有効です。那由他の無料策定支援は、資金の備えまで含めて「自社で使える計画」にしたい事業者に向いています。どれが正解ということではなく、自社の状況に合う組み合わせを選ぶのがおすすめです。有料の代行と無料支援の線引きはジギョケイ作成代行の費用と支援範囲|無料支援との違いで詳しく整理しています。

表の見方として押さえておきたいのは、同じ「無料」でも、初回相談だけを指すのか、計画完成までの伴走を指すのかで、実際にかかる社内の手間がまったく違うという点です。とくに認定後の修正対応は見落とされがちですが、計画は一度作れば終わりではなく、事業内容や設備、体制の変化に合わせて見直す場面が出てきます。最初に「どこまでを、いつまで無料で見てくれるのか」を言葉にして確認しておくと、途中で想定とずれる事態を避けやすくなります。

無料だと品質が落ちないか、あとで勧誘されないか

無料と聞くと「品質が下がるのでは」「後で契約を勧められるのでは」と身構える方もいます。ここは、なぜ無料で提供できるのか、支援の目的は何かを確認することで整理できます。那由他保険テクノロジーズは、保険募集人として、事業者が災害時に事業を止めないための備えを広げることを事業の目的に置いています。そのため、計画づくりの入り口を保険契約の前提なしで支援しています。

保険代理店だから見える「保険金は自動では出ない」という現実

ここが、一般的な作成支援と保険の実務を知る立場との差が出るところです。災害で損害が生じても、保険金は自動的に振り込まれるわけではありません。被保険者側が、対象となる事故か、対象となる損害か、その金額、被害との因果関係、発生の時期、そして免責事由に当たらないことを、書類で説明する必要があります。この情報の非対称性を知らないまま計画を作ると、「備えたつもり」で終わりかねません。

この点は、パンフレットや制度解説だけを見て計画を作る場合には見えにくい部分です。実際の保険金請求では、被害状況の写真、修理の見積書、被災前後の売上がわかる資料など、後から集めようとすると散逸しやすい証跡が求められます。どこで何を記録し、誰が保管するのかを計画にあらかじめ織り込んでおくと、請求の場面で慌てずに済みます。

計画を作る段階から、どんな損害をどう記録し、何を証跡として残すかを意識しておくと、いざというときの資金確保を現実的に検討できます。那由他の支援は、この「説明できる状態」づくりまで視野に入れて設計しています。

相談に価値が出るのは、リスクの一般論を聞くためではありません。対象になる中核業務の切り分け、復旧までに要る運転資金の概算、いま加入している保険証券と補償のズレ、GビズIDの準備、認定後に計画を直す段取り——こうした自社固有の論点を一緒に棚卸しできるからです。どこから手をつけるかが決まっていない段階でも、那由他保険テクノロジーズが状況をうかがって論点を一緒に整理しますので、まずはお気軽にご相談ください。ご相談の中では、次のような点を一緒に確認していきます。

保険契約を前提とせず、資金の備えまで含めて相談できます

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計画づくりで確認する項目(チェックリスト)

計画を具体化するときは、次の情報が検討の材料になります。分かる範囲で書き出しておくと、中核業務と資金の見通しを結び付けて考えやすくなります。整理が途中の段階でも、那由他保険テクノロジーズが状況をうかがいながら一緒に論点を整理しますので、まずはお気軽にご相談ください。

  • 止まると困る中核業務と、その復旧までに許容できるおおよその日数
  • 想定する主なリスク(地震・水害・停電・感染症・システム障害など)
  • 災害発生時に必要になりそうな運転資金の概算と、その把握状況
  • 現在加入している損害保険・共済の証券と補償内容がわかる資料
  • 設備投資の予定(特別償却の対象確認に使う取得時期・設備の情報)
  • GビズIDプライムの取得状況(未取得の場合、オンライン申請なら最短即日、書類申請なら最大1か月を見込む)
  • 計画を活用したい時期(補助金加点や税制など、逆算の起点になる)

特に保険証券と補償内容の資料は、「いまの契約で災害時の資金をどこまで賄えるか」を具体的に確認する材料になります。ここを押さえておくと、計画と資金の備えを一続きで検討しやすくなります。分かる範囲でメモにしておくだけでも、計画と資金の検討の密度は変わります。

無料支援を使う経済合理性

無料支援の価値は「費用がかからない」ことだけではありません。認定は、支援策の入り口になる場合があります。たとえば中小企業防災・減災投資促進税制では、2026年7月時点で特別償却16%の措置が示されています。ただし、対象となる設備か、取得の時期、認定の時期などの条件があり、実際に適用できるかは個別の確認が必要です。税務上の取り扱いは税理士にご相談ください。

また、伴走型の支援を使うことで、担当者が制度を一から調べる時間を圧縮し、本業に時間を振り向けやすくなります。これは金額に表れにくいものの、実務上の負担に直結する部分です。

加えて、計画を作る過程そのものが、自社のリスクと資金繰りを棚卸しする機会になります。どの業務が止まると一番困るのか、そのとき何にいくらかかるのかを一度言語化しておけば、その内容は保険の見直しや資金計画を判断するときの材料としても使えます。認定という結果だけでなく、この整理の過程に価値がある——というのが、伴走型の無料支援を勧める理由の一つです。

申請の流れと期間の目安

事業継続力強化計画は、原則として電子申請で行い、gBizIDプライムが必要です。取得までの期間は申請方法で変わり、GビズID公式サイトでは、マイナンバーカードを使うオンライン申請なら最短で即日、書類申請では申請から審査・アカウント発行まで最大1か月かかると案内されています。申請から認定までの標準処理期間は約45日とされており、どちらの方法でGビズIDを取得するかと合わせて、活用したい時期から逆算して動くのが現実的です。

計画の実施期間は最大3年です。満了後も続ける場合は新たな計画として申請し、2回目以降は実施状況報告書の内容も論点になります。手順の詳細は申請方法|GビズIDと手順、期間の逆算は認定45日と逆算手順、更新は更新|再申請と実施報告、書き方の要点は計画の書き方|記載項目のポイントを参照してください。

ポイント:無料支援を選ぶときは「どこまで無料か」「認定後の修正に付き合ってくれるか」を最初に確認しておくと、想定とのズレを避けやすくなります。

FAQ

Q1. 事業継続力強化計画の無料支援は、何が無料の範囲になりますか?

相談先によって範囲が異なります。初回相談だけ無料の場合、計画づくりの伴走まで無料の場合、電子申請の操作補助まで含む場合があります。「どこまでを無料で対応するのか」を最初に確認しておくと、後から想定と違うという事態を避けやすくなります。

Q2. 無料の支援と有料の作成代行は、どう選び分ければよいですか?

自社で内容を理解しながら進めたい、認定後も自社で運用したい場合は、伴走型の無料支援が向いています。社内に着手する時間が確保できない場合は有料の作成代行が選択肢になります。料金よりも、認定後に自社で計画を使えるかで判断するのがおすすめです。

Q3. 那由他保険テクノロジーズの無料策定支援を受けるのに、保険契約は必要ですか?

保険契約を前提とせずにご相談いただけます。私たちは保険募集人として、災害時に資金がどう動くかという視点から計画づくりを支援します。保険の要否は、計画の内容とお客様の状況を踏まえて一緒に整理していきます。

Q4. GビズIDや電子申請の操作も手伝ってもらえますか?

事業継続力強化計画は原則として電子申請で、gBizIDプライムの取得が必要です。GビズID公式サイトでは、マイナンバーカードを使うオンライン申請なら最短で即日、書類申請では申請から審査・アカウント発行まで最大1か月かかると案内されています。那由他の支援では、どちらの方法で取得するかの見立てや電子申請の進め方についてもご案内し、つまずきやすい箇所を一緒に確認します。ただし申請の主体はお客様自身です。

Q5. 認定までどのくらいの期間を見込めばよいですか?

中小企業庁の申請方法ページでは、申請から認定までの標準処理期間は約45日とされています。加えてgBizIDプライムの取得期間として、オンライン申請なら最短即日、書類申請なら最大1か月を見込む必要があるため、活用したい時期から逆算して着手することが大切です。

Q6. なぜ保険代理店が事業継続力強化計画の支援をするのですか?

災害後に役立つのは資金面の備えである一方、保険金は自動で支払われるわけではありません。対象となる事故か、対象となる損害か、金額、因果関係、発生の時期、免責に当たらないことを、被保険者側が書類で説明する必要があります。計画づくりの段階でこの「説明できる状態」を意識しておくと、いざというときの資金確保を現実的に検討できます。

参考一次情報・公的資料

情報確認日:2026年8月3日

執筆:中村 祐太朗(那由他保険テクノロジーズ株式会社 Risk & Benefits事業 執行役員/損害保険・生命保険募集人)|編集:那由他保険テクノロジーズ株式会社 編集部|最終更新日:2026年8月3日

本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。補償範囲、引受可否、保険料、保険金の支払は、商品・約款・契約条件・個別の事情により変わります。制度要件、補助金、税制、融資、標準処理期間は最新の公表情報により変わることがあり、法務・税務・労務・会計の判断は、必要に応じて専門家へご確認ください。