国内再保険キャプティブ制度の仕組み: 企業グループが国内の元受保険会社と保険契約を結び、元受保険会社が国内の再保険キャプティブへ出再し、キャプティブが再保険マーケットへ再々保険する流れ

2026年7月21日に閣議決定された「日本成長戦略」と、同日に示された「成長投資を促進するための金融戦略」に、「限定的なリスクを扱う特別専門保険会社(再保険キャプティブ)の制度を創設するための法案の次期通常国会提出に向けた検討」を進めることが書き込まれました。8月31日の金融審議会総会で諮問が行われ、新たに設けられた「保険制度ワーキング・グループ」が10月1日に第1回会合を開いています。日本経済新聞は2026年4月14日、2027年にも保険業法の改正案を国会に提出する方針と報じていました。

日本企業はこれまで、自社グループのリスクを引き受ける保険子会社(キャプティブ)を、ハワイ、ラブアン、バミューダ、ミクロネシアなど海外に設けてきました。同じ受け皿を国内にもつくる検討が、制度設計の段階に入りました。この記事では、WG第1回(2026年10月1日)の金融庁事務局資料を中心に、制度の仕組み、事務局案の論点、海外ドミサイルとの比較、企業への影響を整理します。第2回は2026年10月30日に開かれ、制度の骨子(案)が示されました。各回で示された内容は会合ごとの解説記事(第2回の解説)で追い、本記事には経過と要点を反映していきます。

本記事は公表資料に基づく制度動向の解説で、法務・税務の助言ではなく、特定の保険会社や保険商品を説明するものでもありません。

Summaryこの記事のポイント

  • 再保険キャプティブは、国内の元受保険会社が引き受けた自社グループのリスクの一部を、再保険として受ける保険子会社です。日本企業は現在、これを海外に設立しています。
  • 国内で設立されてこなかったのは、通常の損害保険会社の免許(最低資本金10億円)が必要だったためです。2004年の金融特区要望も2006年の研究会提言も実現しませんでした。
  • WG第1回の事務局案は、損害保険会社の一類型として免許審査基準や最低資本金を見直し、契約者を自社グループに限る方向です。追加的な税制上の措置は前提としていません。
  • 制度ができても、保険業法186条の構造と元受保険会社の役割は変わりません。変わり得るのは、為替や海外の制度変更のリスクと、中堅企業にとっての参入のしやすさです。
  • 法案は次期通常国会への提出に向けた検討段階で、既存の海外キャプティブの扱いを含め未定の点が多くあります。今のうちに進められるのは、自社の保険プログラムの棚卸しです。

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再保険キャプティブとは: 国内の元受保険会社を通す仕組み

キャプティブとは、事業会社が自社グループのリスクを引き受けさせるために設ける保険子会社です。金融庁の資料は、日本国内にキャプティブ固有の制度がないこと等を背景に、日本企業は制度が整った海外の法域で、主に自社グループのリスクだけを引き受ける再保険キャプティブを設立していると整理しています。

金融庁の仕組み図では、リスクは次の順に流れます。

  1. 企業グループが、日本で免許を受けた元受保険会社と保険契約を結ぶ。
  2. 元受保険会社が保険責任の一部を再保険キャプティブに出す(出再)。
  3. キャプティブは持ちきれない部分を再保険マーケットに出す(再々保険)。
  4. 事故時は、元受保険会社が損害査定と保険金支払いを行う。

元受保険会社が担うのは、保険料の算定、損害サービス、そして取引先や貸主が求める付保証明書の発行です。金融庁の資料も、商慣行上必要な付保証明書を元受損害保険会社から発行できる点を、この構造の特徴に挙げています。元受保険会社は、キャプティブから再保険金を受け取れなかった場合でも契約どおりに保険金を支払う義務を負うため、キャプティブの資本や信用補完を確認したうえで引き受けるのが通常です。

国内の保険会社を通すのは保険業法186条があるためです。日本に支店等を設けない外国保険業者(海外のキャプティブを含む)は、日本所在の財産や日本に住所を持つ人に係る保険契約を原則として締結できません。一方、施行令19条1号は再保険契約を対象から除いているので、国内の元受保険会社が引き受けて海外のキャプティブが再保険で受ける形は規制に抵触しません。詳しくは海外直接付保規制(保険業法186条)で解説しています。

元受キャプティブとの違い

キャプティブには、企業グループと直接保険契約を結ぶ「元受キャプティブ」もあります。保険業法2条1項2号ニは、会社が同一の会社の集団に属する他の会社を相手方として行うものを「保険業」の定義から除いているため、国内でグループ会社だけを相手に元受を行うこと自体には免許が要らない、という読み方ができます。ただし金融庁は、元受キャプティブを設立している企業グループは確認できないとしたうえで、仮に元受キャプティブが国外の再保険マーケットに出再すれば、企業グループ全体として実質的に海外直接付保が可能になる、という整合性の論点を示しています。今回の検討の対象は再保険キャプティブで、元受キャプティブは将来の課題と位置づけられています。

表1: 再保険キャプティブと元受キャプティブの違い(金融庁 保険制度WG第1回事務局資料をもとに整理)
項目再保険キャプティブ元受キャプティブ
企業グループの契約相手国内の元受保険会社キャプティブ自身
保険業法186条との関係海外設立でも、再保険は施行令19条1号で規制の対象外海外設立の場合、日本所在のリスクの引受けは原則禁止
付保証明・損害サービス元受保険会社が提供キャプティブ側で用意する必要
今回の国内制度の検討検討の対象将来の課題

なぜ日本国内で設立されてこなかったのか

理由は単純で、国内で再保険キャプティブの業務を行うには、通常の損害保険会社と同じ免許が必要だったからです。損害保険会社の最低資本金は10億円です。金融庁の資料も、保険会社の免許の取得は同業務の特性に照らして負担が重く、相当数の国内の企業グループが米国ハワイ州等の国外に子会社を設立して同業務を行っている、と記しています。

国内制度をつくろうとする動きは、今回が初めてではありません。2002年には沖縄県名護市が、金融特区で再保険キャプティブを認める制度を要望しました。これに対し政府は2004年3月24日の参議院内閣委員会で、慎重に対応する必要があり認めることは困難と答弁しています。理由の一つは、適切な監督を受けない者への出再に責任準備金の積立て免除を認めるのは、契約者保護の観点から適当でないという点でした。2006年3月には経済産業省のリスクファイナンス研究会の報告書がキャプティブ法制の創設を提言しましたが、立法化には至りませんでした。

その後、海外キャプティブをめぐる税の前提も変わりました。金融庁の資料が引用する2022年のマーシュブローカージャパンの論考は、2018年の外国子会社合算税制(CFC税制)の改正で、キャプティブの留保所得は原則として親会社と合算されるようになり、課税の差でドミサイルを選ぶことに意味がなくなったと述べています。それでも海外設立が続いてきたのは、国内に受け皿がなく、海外に日本企業向けの体制が整っていたからです。

日本企業のキャプティブの現状: 社数・業種・企業の声

日本企業のキャプティブについて、金融庁は「公式な統計データはない」としています。社数は資料によって異なり、金融庁の資料は「おおむね100社前後というのが保険業界のコンセンサス」(柳瀬編著、2024年)と「2022年12月時点で162社」(浜田ほか、2023年)を併記しています。WGで説明したフォーサイトの資料(資料6)は、1974年の最初の設立から2026年9月15日の集計時点までの累計を181社、ドミサイルを17としています。数え方が違うので、出典と一緒に読む必要があります。

表2: 日本企業系キャプティブのドミサイル別累計(1974年〜2026年9月15日、フォーサイト調べ・保険制度WG第1回資料6)
ドミサイル累計社数
ハワイ57社
ラブアン(マレーシア)30社
バミューダ26社
ミクロネシア連邦26社
ガーンジー8社
シンガポール8社
バーモント7社
その他10地域19社
合計181社

金融庁の資料が引く柳瀬・山崎の2025年度調査では、回答147社の37%がキャプティブを設置済みか検討経験があり、売上高5,000億円以上では64%、海外売上高比率50%以上では57%に上ります。

金融庁のヒアリングでは、建物リスクで製造業・エネルギー事業者・商社、貨物リスクでグローバル製造業・医薬品・食品製造業、PLリスクで輸送機器・大型機械製造業の活用が挙がりました。効果は、①保険コストの適正化、②元受保険会社が引き受けづらいリスクへの対応可能性の向上、③損害予防活動の効果が自社に戻ること、の3点に整理されています。

経済産業省と金融庁の検討会(2025年12月10日、資料4)で旭化成は、ハワイにキャプティブを設けたのは保険キャパシティの不足と保険料の上昇を受けた「やむなし設立」であり、収益獲得や税負担の軽減を狙ったものではないと説明しました。ハワイを選んだ理由は日本企業向けのインフラとサービスがパッケージで整っていたことで、日本で同様の設立ができれば日本を選んでいた、とも述べています。また小野薬品工業は2025年8月1日、ハワイに資本金100億円の再保険子会社を設立する方針を開示しており、ハワイ州の公式名簿(2026年9月30日時点)には同社名を冠したキャプティブが掲載されています。

2026年に検討が動いた背景

背景の一つは、企業向け保険の引受余力の変化です。旭化成の説明にあるように、国内の損害保険会社が共同保険の引受キャパシティを絞り、保険料が上がったことで、大口のリスクを外部の保険だけでまかなうのが難しくなった企業があります。もう一つは、海外のキャプティブが抱える為替変動や制度変更のリスクで、日本成長戦略もこれを理由に国内設立を望む声があることに触れています。

政策面では、経済産業省と金融庁の検討会が2026年4月17日に報告書をまとめ、海外直接付保の認可手続きをより活用しやすくなるよう運用面を改善すること、キャプティブをリスクマネジメントの高度化に資するものとなるよう政策を検討すること(リスク情報のハブ機能等)を政府の対応として挙げました。

表3: 国内キャプティブ制度をめぐる経緯(金融庁 保険制度WG第1回事務局資料ほか)
時期出来事
2002年沖縄県名護市が金融特区での再保険キャプティブ制度を要望
2004年3月24日参議院内閣委員会で政府が「認めることは困難」と答弁
2006年3月経済産業省リスクファイナンス研究会の報告書がキャプティブ法制の創設を提言(立法化せず)
2025年12月10日経済産業省・金融庁の検討会で旭化成が設立の経緯を説明
2026年4月14日日本経済新聞が「2027年にも保険業法の改正案を国会に提出する方針」と報道
2026年4月17日経済産業省・金融庁の検討会が報告書を公表
2026年7月21日日本成長戦略を閣議決定。金融戦略に法案の次期通常国会提出に向けた検討を明記
2026年8月31日金融審議会総会で諮問、保険制度ワーキング・グループを設置
2026年10月1日保険制度WG第1回。事務局が制度の方向性案を提示
2026年10月30日保険制度WG第2回。事務局が制度の骨子(案)を提示(最低資本金を1,000万円程度に引き下げ、引き受ける種目は企業向けの損害保険を基本とするなど)。第2回の解説

金融庁WG第1回の事務局案と論点

第1回では、日本損害保険協会、三菱重工業、フォーサイトからのヒアリングが行われ、事務局が制度の方向性案を示しました。2026年10月1日の資料から、主な内容は次のとおりです。

  • 位置づけ。再保険キャプティブを、新しい業態ではなく損害保険会社の一類型として整備する。
  • 免許と資本。免許審査基準と最低資本金を、再保険キャプティブの業務の特性に合わせて見直す(通常の損害保険会社は10億円)。
  • 契約者の範囲。保険契約者を自社グループに限定する。
  • 保険種目。引き受ける保険種目を限定する。
  • 体制。役員の兼職や保険計理人に関する規制を、業務の実態に合わせて整備する。
  • 健全性規制。できる限り簡素なものとする。
  • 税制。損害保険会社との比較で、追加的な税制上の措置は前提としない。
  • 元受キャプティブ。今回の対象とせず、将来の課題とする。

保険会社としての規律は保ちつつ、自社グループのリスクだけを扱う会社に見合った負担にする、という方向です。税制を特別にしない点は、制度の目的がリスクファイナンスの選択肢を国内に用意することにあると示しています。

一方、8月31日の金融審議会総会では慎重な意見も出ています。元受損害保険会社とのコンフリクトや流動性の確保、自家保有するリスクと外部に移転するリスクの切分けの難しさ(失敗すれば企業に大きな損失になる)、採算性と規模、保険料の設定方法、コーポレートガバナンスへの影響、企業のリスクマネジメント能力をどう測るか、国際課税の流れとの整合性です。同じ総会では、大企業は既に海外でキャプティブを設立しているので、中堅企業や中小企業でも利用できる制度にすることが重要だ、という意見も出ました。

第2回(10月30日)では、この方向性案を具体化した骨子(案)が事務局から示されました。最低資本金を1,000万円程度に引き下げる案、取締役等の兼職を承認制で認める案、事業規模に応じた簡素な健全性基準などの内容は、保険制度WG第2回の解説で整理しています。

海外4法域との比較: 金融庁の比較表にラブアン・ミクロネシアを加える

金融庁の事務局資料は、日本(通常の損害保険会社)、ハワイ(Class 1)、シンガポール、アイルランドの4法域を、最低資本金、審査期間、健全性規制、報告などの軸で比べています(2026年8月時点の法令)。日本企業の利用が多いラブアンとミクロネシアはこの表に入っていないため、各当局の公表資料から同じ軸で補いました。

表4: 国内制度の検討で参照される海外法域との比較(日本・ハワイ・シンガポール・アイルランドは金融庁WG第1回資料3-1、ラブアン・ミクロネシアは当局資料等で補足。「―」は未確認)
法域最低資本(単一親会社型)審査期間の目安健全性規制・報告日本企業系の累計(フォーサイト)
日本(通常の損害保険会社)10億円(WGで見直しを検討)―通常の損害保険会社の規制(WG案は「できる限り簡素」)―
ハワイ(Class 1)US$10万以上(当局が決定)約4〜6週間(金融庁資料)前年度収入保険料の20%以上等の簡素な資本規制。監査済財務諸表を期末後6か月以内に提出57社
シンガポールS$40万(約5,000万円)完全な申請から最長3か月(MAS)リスクベース資本規制。事業報告は年1回8社
アイルランド130万ユーロ―――
ラブアン(補足)RM30万(レンタキャプティブ・PCCはRM50万)―資産超過額がRM30万・前年正味収入保険料の10%・正味支払備金の10%のいずれも下回らないこと。監査済財務諸表を決算後6か月以内に提出30社
ミクロネシア連邦(補足)US$10万(Class 1)4〜6週間(現地事業者の案内)資産が負債を超過すること。年次監査、年1回の取締役会を現地で開催26社

差が最も大きいのは最低資本で、日本の10億円に対し、ハワイとミクロネシアはUS$10万です。国内制度でこの差がどこまで縮まるかが、海外ドミサイルとの競争条件を左右します。各法域の税制、実体要件、日本企業の使い方はキャプティブ保険のドミサイル比較で、ラブアンについてはラブアンのキャプティブ保険で詳しく扱っています。

企業にとって変わること・変わらないこと

変わらないこと

第一に、保険業法186条の構造です。対象は再保険キャプティブなので、企業グループが国内の元受保険会社と契約し、その保険会社がキャプティブに出再する流れは海外設立と同じです。第二に、保険料の算定、損害サービス、付保証明書の発行を元受保険会社が担う点も同じです。第三に、税の扱いを特別にする前提はありません。海外に設立したキャプティブはCFC税制で原則として親会社の所得に合算され、国内に設立する場合は日本の法人として日本の法人税の対象になります。金融庁の資料が引く浜田ほか(2023年)が「税金対策は本来の目的ではなく」と述べるとおり、税効果はキャプティブを設ける目的になりません。個別の税務判断は税理士などの専門家にご確認ください。

変わり得ること

一つ目は、為替と海外の制度変更のリスクです。国内の当局の監督を受けるキャプティブであれば、海外通貨建ての資本の為替変動や、現地の法令・手数料改定に左右される度合いは小さくなると考えられます。二つ目は、元受保険会社との実務の一体性です。付保証明や損害サービスを担う元受保険会社とキャプティブが同じ国の制度の下にあれば、報告や監督の窓口がまとまる可能性があります。三つ目は、中堅企業の参入可能性です。資本や規制の負担がどこまで軽くなるかによって、海外設立のコストで見送ってきた企業にも検討の余地が生まれます。

既に海外にキャプティブを持つ企業にとっての関心は、国内への移管や併存の扱いでしょう。第1回の資料の時点では、既存の海外キャプティブの扱いは示されていません。

今後のスケジュールと見方

2026年10月30日のWG第2回では制度の骨子(案)が示されましたが、法案の日程は資料に記載されていません。政府方針の文言は法案の「次期通常国会提出に向けた検討」であり、国会への提出も成立も決まったわけではありません。施行時期は公表資料では示されておらず、「2027年」という年は、改正案の国会提出時期についての報道(日本経済新聞、2026年4月14日)に基づくものです。

今後の議論で何が決まると何が分かるかを並べておきます。

表5: 今後の議論で決まる事項と、企業にとって分かること
決まる事項分かること
最低資本金の水準海外ドミサイルと比べた初期負担と、自社の規模で検討対象になるか
引き受けられる保険種目財物・賠償・貨物など、自社の主要リスクを載せられるか
健全性規制・報告の内容年間の運営コストと社内体制の負担
出再側(元受保険会社)の扱い元受保険会社が国内キャプティブへの出再をどう評価するか。2004年の答弁で問題になった論点
既存の海外キャプティブとの関係移管・併存・継続の判断材料

中堅企業への含意: 制度を待つ間にできること

キャプティブの運営には相応のコストがかかります。金融庁の資料によると、設立時には資本金の払込みのほか、フィージビリティ・スタディや申請書類の作成等に約1,000万円、設立後はマネジメント会社やアクチュアリー・監査法人への業務委託費として年間数千万円の支払いが発生します。一方、WGで示されたフォーサイトの調査では、売上高200億円・純利益2億円規模の企業が、グループ内リスクマネジメントの高度化と財務体制の強化を目指してキャプティブを設立した例もあります。

自社でキャプティブを持たない方法もあります。金融庁が分類するレンタキャプティブは、出資者が設けたキャプティブを利用企業が借りる形です。海外には、ハワイのスポンサード型(Class 4)や、ラブアンの保護セル会社(PCC)のセルのように、他者が設けた器の一部を区画単位で利用する制度もあります。ただし、大きな事故が続けば負担が自社に戻る点は自社専用の会社と同じです。

そして、どの形を選ぶにしても前提になるのは、自社の保険プログラムが整理されていることです。どのリスクにいくら保険料を払っているか、免責金額をどこに置き、どこまでを自社で保有しているか、グループ会社ごとの契約で補償が重複したり抜けたりしていないか。総会で指摘された「リスクの切分け」は、この整理ができていなければ始まりません。制度を待つ間に免責・保有と保険購買を整理しておくことは、キャプティブを持つかどうかにかかわらず保険コストの見直しにつながります。

那由他保険テクノロジーズがキャプティブ検討前の保険プログラム整理でご支援できること

那由他保険テクノロジーズは東京の保険代理店です。キャプティブの設立や再保険の手配は当社の業務ではありません。当社がご支援するのは、その前段にある自社の保険プログラムの棚卸しです。法人リスクコンサルティング(Risk & Benefits)として、事業のリスクを財物・休業・賠償・貨物などに分けて整理し、現在の契約がそのリスクにどう対応しているかを確認します。グループ会社ごとの契約を並べて補償の重複と不足を洗い出し、保険料がどのリスクにどれだけ配分されているかというコストの構造を見える化します。そのうえで、免責金額や自社で保有している範囲を整理し、更改のたびに条件を見直せるよう契約の管理を整えます。

相談後にお持ち帰りいただけるのは、自社で保有しているリスクと保険で移転しているリスクの一覧、補償の重複・不足と保険料配分の見取り図、免責や保有の水準を検討するための論点です。キャプティブを検討する段階に進む場合も、社内の検討やご相談先との打ち合わせの出発点になります。最初の工程は保険証券診断として定型化しています。契約内容がまだ整理できていない段階でも、一緒に整理するところから始めますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

当社は、損害保険については特定の保険会社の代理店として募集を行い、複数の保険会社の商品を比較して推奨する販売は行わず、保険仲立人でもありません。詳しくは比較推奨販売方針をご覧ください。

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初回のご相談・現契約の診断は無料です。お電話(050-1725-4773/受付:平日9:00〜19:00)でも承ります。

よくある質問

国内の再保険キャプティブ制度はいつから利用できますか?

決まっていません。2026年7月21日の閣議決定で示されたのは、法案の次期通常国会提出に向けた検討です。保険制度WGは10月1日に第1回、10月30日に第2回を開き、第2回で制度の骨子(案)が示されました。2027年にも改正案を国会に提出する方針との報道(日本経済新聞)はありますが、施行時期は示されていません。

国内制度ができれば、自社のキャプティブに直接保険をかけられますか?

第1回の事務局案では、対象は再保険キャプティブです。企業グループは国内の元受保険会社と保険契約を結び、元受保険会社がキャプティブに出再する構造は変わりません。企業がキャプティブと直接契約する元受キャプティブは、将来の課題とされています。

国内のキャプティブには税制上の優遇がありますか?

事務局案は、損害保険会社との比較で追加的な税制上の措置を前提としていません。国内に設立したキャプティブは日本の法人として日本の法人税の対象となり、海外に設立したキャプティブは外国子会社合算税制で原則として親会社に合算されます。個別の税務判断は税理士などの専門家にご確認ください。

既に海外にキャプティブを持っている場合、国内に移す必要がありますか?

第1回の資料では、既存の海外キャプティブの扱いは示されておらず、今後の議論を待つ段階です。移管や併存は、最低資本金や保険種目、健全性規制の内容が固まってから比較することになります。

中堅企業でもキャプティブを検討できますか?

検討の余地はあります。金融庁は設立時に約1,000万円、設立後に年間数千万円の費用がかかるとしていますが、売上高200億円規模の企業の設立例もあります。まずは免責・保有の水準や保険購買を整理し、自社で持つリスクと保険で移すリスクを明確にすることが出発点です。

参考一次情報

いずれも確認日は2026年10月29日です。