コントロールド・マスター・プログラムの図: 日本のローカル・アドミッテッド証券、DIC/DILを備えたグローバルマスターポリシー、本社の財務利益補償、フロンティングの関係

海外本社の保険担当から日本法人に届く指示は、たいてい短い英語です。「Japan is a local policy country, please arrange the local policy」「The master DIC/DIL will pick up the difference」「We have FINC for Japan」。言われた側の日本法人は、何を手配し、何を本社に任せ、事故のとき誰が誰に払うのかを、自分の言葉で把握しておく必要があります。この記事は、本社のグローバル保険プログラムの用語を日本法人側の言葉に直し、日本のローカルポリシーを手配するときに日本法人が確認すべき10項目を軸に、コントロールド・マスター・プログラム(CMP)、DIC/DIL、財務利益補償(FINC)、フロンティング、ロイズの日本向けモデルが日本法人にとって何を意味するかを整理します。最後に、米国本社が東京オフィスと国内倉庫を開く仮想ケースを、日本法人の財務担当の視点で通します。

本記事は、海外本社の傘下にある日本法人の側から見た整理です。日本の本社が海外子会社のプログラムを組む逆方向の整理は海外現地法人PL保険の一覧化をご覧ください。法的な前提(保険業法186条の原則・除外・許可)は海外直接付保規制の記事に、日本進出全体の保険は基幹記事にあります。本社の担当者には英語版をそのまま送れます。内容は2026年10月28日時点で末尾の資料に照らして確認しています。

本記事は、国際的な保険会社やブローカーが用いるプログラム構造の一般的な解説です。特定の保険会社、保険商品、保険契約の内容を説明するものではなく、法律・税務の助言でもなく、特定の構造が特定の会社で利用できると述べるものでもありません。各構造の利用可能性、適法性、税務上の扱いは、文言・保険会社・事実関係によって異なり、保険会社の法務と日本の専門家に確認する事項です。

Summaryこの記事のポイント

  • コントロールド・マスター・プログラムは、本社の国で発行するマスターポリシーと各国のローカル・アドミッテッド証券の組み合わせ。日本では、日本の財産・人についての186条を満たし、貸主や顧客が受け入れ、日本で保険金が払われるのはローカルポリシーで、これが土台になる。
  • マスターのDIC/DILは、ローカル証券の条件や限度額とマスターの基準との差に対応する。ローカルが存在することが前提で、ローカルの代わりにはならず、ローカルが何を補償すべきかも変えない。
  • 財務利益補償(FINC)は本社自身の子会社に対する利益を付保し、本国の本社に支払う。本社の貸借対照表の保護であって日本法人の保険ではなく、日本での適法性と税務は文言ごとの検討事項。
  • フロンティングは、再保険が186条の除外であるため構造として適法。日本の免許保険会社がローカル証券を発行して海外のグループの保険会社に再保険し、日本の保険会社が日本法人に対する契約上の責任を負う。ロイズは国外で管理されるリスクについて独自のモデルを持つ。
  • 手配前に、各層で誰が被保険者か、誰に・どこで・どの通貨で払われるか、日本の相手方への証明書を誰が出すかを決める。用語ではなくこの決定が、プログラムが日本で機能するかを左右する。

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本社の担当者が使う用語の意味

国際的な保険会社やブローカーは、multinational/international/global programを、複数国の事業を共通の基準で束ねた保険契約の集合という意味で使います。一般的な形がコントロールド・マスター・プログラムで、Marshは、グローバルのマスターDIC/DIL証券と各国のローカル証券を組み合わせ、補償の一貫性・必要な専門性・現地の法令順守を得る仕組みと定義し、Chubbは米国で発行するマスターと各国のローカル・アドミッテッド証券の組み合わせと説明し、Travelersは、ローカル証券は各国の法定の付保要件を満たすために存在すると付け加えています。これに対し、各国が自分で保険を買い、マスターが無い形は、単に独立したローカルプログラムの集合です。どちらにするかはグループの判断で、以下はCMPの日本の層の話です。

日本法人側で確認する10項目

表1: 本社のプログラムに日本のローカルポリシーを接続するときに、日本法人側で確認する10項目
項目確認することよくある落とし穴
1. 記名被保険者ローカル証券の契約者・記名被保険者は登記上の名称の日本法人(支店なら外国会社と日本支店)。マスターに日本法人が記名されているか。マスターの記名が旧社名・英文略称のまま。支店が「subsidiary」の定義に入っていない。
2. 補償地域マスターの補償地域に日本が事故発生地・請求提起地の両方で含まれるか。ローカルは輸出や海外活動を対象にするか。ローカルは日本国内のみ、マスターは日本を除外、で輸出が宙に浮く。
3. 限度額と通貨ローカルは円建て。マスターの基準を設定したときの換算基準を記録し、DILの計算を再現できるようにする。為替変動でDILの差額が想定と違う。
4. 自己負担額の負担者円建ての自己負担額を日本法人が負担できるか。本社が負担する場合の資金の流れ。本社基準の高額な自己負担額を日本法人が払えない。
5. 免責(特に地震)日本の火災保険は地震を標準で免責。地震特約の保険金額とマスターの地震の扱い。水災の縮小の有無。本社が「日本には国の地震保険がある」と誤解している(住宅のみ)。
6. 事故通知の経路ローカルは契約者が代理店経由で日本語で通知。同じ事故をマスターの保険会社に誰がいつ通知するか。日本語で処理が進む間、本社に通知されずマスターの通知期限を過ぎる。
7. 請求ベースか事故発生ベースかD&O・専門業務・サイバーは請求ベースが一般的。遡及日とプログラム変更時の継続(ランオフ)。日本法人がマスターからローカルに移るとき、過去の行為が空白になる。
8. 保険期間ローカルは1年が一般的。マスターの満期と揃えるか、ずれを記録する。更新のたびにDIC比較をやり直していない。
9. 証明書日本の貸主・顧客・金融機関が求める証明書を誰が出すか。英文証明書の可否は保険会社ごと。追加被保険者・求償権不行使は一部の約款のみ。本社がFINCで「カバー済み」と言っても証明書は出ない。
10. 支払先ローカルは円で日本法人または被害者へ。マスターのDIC/DILは本社か日本法人か。FINCは本社。フロンティングは日本の保険会社が支払人。マスターの支払が本社宛てで、日本法人の貸借対照表が戻らない。

日本のローカル・アドミッテッド証券の特徴

日本で「アドミッテッド」とは、金融庁が免許を与えた保険会社の契約を指します。2026年10月19日現在、損害保険会社35社(外資系の日本法人を含む)、日本支店として営業する外国損害保険会社等21社、ロイズの計57社です。これらの契約は日本語の約款で、日本の監督と消費者保護の下にあり、日本の市場が想定する形です。

プログラム設計に影響する特徴が3つあります。第一に流通。日本の企業向け保険の多くは保険会社のために募集する代理店を通じて契約され、代理店には1社専属と複数社乗合があります。保険仲立人は顧客のために媒介する別の登録制度です。グループが国際的なブローカーの日本法人を通じて日本の層を手配する場合、その法人がどちらの立場で動くのかを確認します。第二に約款。日本の賠償責任保険は施設・請負・生産物のように原因別に分かれているのが一般的で、企業財物は火災保険に補償を加える形なので、マスターのDIC比較は実際の日本語約款に対して行う必要があります。第三に証明書と特約。付保証明書は保険会社が通常は代理店を通じて発行し、追加被保険者や求償権不行使の条項は一部の約款にあるものの標準ではなく、英文証明書の可否は保険会社ごとの確認事項です。日本の賃貸借や顧客契約が特定の特約や証明書を求めるときは、契約に署名する前に確認します。

マスターポリシーが日本に対してできること

マスターは日本について3つのことができ、ある条項がどれをしているのかを明確にしておくと混乱が減ります。日本のローカル証券が満たすべきグループ基準を定めること。DIC/DILを通じて、日本の証券とその基準の差に対応すること。財務利益条項を通じて、本社自身の日本法人に対する利益を付保すること。マスターが186条に触れずにできないのは、ローカル証券の代わりに日本の財産や人を直接付保することです。ローカルが無いままマスターが日本法人の倉庫を直接カバーする形は、海外直接付保規制の記事が扱う場面であり、ローカルの上に乗って本社を付保する形が通常のCMPです。

DIC/DILは「ローカルがある前提」

条件差(DIC)はローカル証券の条件がマスターより狭い場合に、限度額差(DIL)はローカルの限度額を使い切った場合に、マスターが対応する仕組みです。Swiss Re Corporate Solutionsは、事故が起きた国にローカル証券が存在していなければならないと明言し、Chubbは、マスターの広い条件が補償の空白を埋め、ローカルの限度額を使い切ればマスターが追加の限度額を提供すると説明しています。いずれもローカルの補完で、代替ではありません。日本の証券が186条上カバーすべき範囲を変えるものでも、何も無いところに海外から日本の財産を付保する仕組みでもありません。

日本について注意する点は4つです。DIC比較は日本語の約款に対して条項ごとに行うこと(地震は標準で免責で特約の限度額が別、水災は縮小があり得る、賠償は原因別)。DIL計算は円とマスターの通貨の為替を考慮すること。日本の事故から生じるDIC請求はマスターの下で通常は海外で査定されるので、誰に払われるか、日本法人への支払が想定されているのかを事前に合意しておくこと。保険期間を揃えるか、ずれを記録しておくことです。

財務利益補償(FINC)は「本社の資産の補償」

財務利益補償は別の道具です。Marshは、特定の国について本社のマスターポリシーの下に独立した被保険利益を設け、規制上の管轄を子会社の国から本社の国に移すものと説明し、Swiss Re Corporate Solutionsは、子会社に対する本社の利益の価値の減少を補償し、支払は本国の本社に対して行われ、資金が子会社に渡ると法的・規制上・税務上の問題を生じ得ると注意しています。Chubbは、非認可保険を認めない国での損失に用いられると述べています。

日本法人にとっての意味は明確です。財務利益補償は日本での損失から本社の貸借対照表を守るものであり、日本法人を守るものではありません。日本法人には依然として証券も、貸主に出す証明書も、日本で被害者と交渉する保険会社も、日本で払われる保険金もありません。特定の文言が日本法と整合するか、本社の受領と日本法人への手当てが日本の税務でどう扱われるかは、保険会社の法務と日本の税務専門家に確認する事項で、金融庁の指針は無く、本記事は見解を示しません。設計上、FINCはローカル証券と並ぶ本社の補償であって、ローカルの代替ではありません。

フロンティングは「日本の保険会社が引受人」

フロンティングは、Axcoの定義では、現地で認可された保険会社が証券を発行し、リスクの大半を現地で認可されていない再保険者に移転しつつ、被保険者に対する契約上の責任は負い続ける仕組みです。AIGの英国部門は、フロンティング保険会社は再保険者のパネルのために免許のある証券を発行して現地市場へのアクセスを可能にするものとし、国ごとに異なる点として保険料の送金制限、現地保有義務、料率規制、現地の事故対応体制を挙げています。

日本では、施行令19条で再保険が186条の除外とされているため、フロンティングは構造として適法です。結果は、日本の免許保険会社が発行する通常のローカル証券で、経済的なリスクの大半は海外が負います。日本法人にとっての含意は3つあります。日本のフロンティング保険会社が引受人として日本法人に契約上の責任を負うので、その保険会社自身が日本のリスクを審査し、保有分と事務の対価を求め、再保険者に担保を求めることがあります。日本法人の証明書・事故対応・約款はフロンティング保険会社のものです。そして取り決めはグループの保険会社と日本の保険会社の間のもので、特定の日本の保険会社が特定の保険会社のためにフロンティングするかは、グループの保険会社やブローカーが解決する商業上の問題です。

ロイズは独自のモデルを持っています。日本のページで、日本に所在し国外で管理されるリスクにはロイズ・ジャパンを通じてJapan Multinational Modelによるローカル証券の発行が必要であり、同モデルは日本法人の本社・所有が国外にあり、契約者が日本で登記・居住しておらず、購入決定が国外で行われる場合にのみ適用され、日本のリスクだけを対象とする契約には適さず、日本分の保険料は開始前にロイズ・ジャパンに着金している必要があり、ロイズ・ジャパンはロイズ以外の市場のために発行できない、と説明しています。日本法人自身が契約者であるプログラムや、ロイズのシンジケート以外が引受人のプログラムには、ロイズのモデルではなく日本のフロンティング保険会社が必要です。

日本の海外直接付保規制との関係

法令は海外直接付保規制の記事で扱い、ここでは構造の対応だけを示します。ローカル・アドミッテッド証券は保険会社が日本で免許を持つので186条の外。フロンティングは日本の層がローカル証券で、海外への移転が除外される再保険なので186条の外。グループの貨物・旅行のプログラムは、国際輸送中の貨物と海外旅行が除外なので海外から継続。DIC/DILと財務利益補償はマスターの道具で、その位置づけは文言・対象・被保険者次第であり、どちらも日本の財産や人について186条を単独で解決する装置ではない。186条2項の許可は、日本の市場が供給できない契約のための契約ごとの手続で、CMPの通常の経路ではない。

保険料・事故・税務・通貨で確認すること

  • 保険料の配賦。日本のローカル保険料と、マスター保険料の日本分を誰が払い、どう記録するか。グループ内の保険料配賦は、日本の移転価格と損金性の問題を生じ得るので、グループの税務専門家の領域。
  • 保険料の支払。日本のローカル保険料は円で、代理店または仲立人を通じて保険会社の条件で年払いまたは分割。
  • 事故通知。日本の証券は契約者が代理店経由で日本語で、約款の期限内に通知することを想定。同じ事故をマスターの保険会社に誰がいつ通知するかを事前に決める。
  • 保険金の支払。ローカルは円で日本法人または被害者へ。マスターはマスターの通貨と支払先。FINCは本社。
  • 受取の税務。日本法人が受け取る保険金の扱い、マスターやFINCの保険金を受け取った本社から日本法人に渡る資金の扱いは、日本の税務の助言事項。本記事は何も述べない。
  • 通貨。日本の証券の保険金額・限度額・自己負担額は円。マスターの基準設定時の換算基準を記録する。
  • 書類。日本の証券と証明書は日本語。本社や相手方に英文を約束する前に、保険会社が発行できる英文書類を確認する。

仮想ケース: 米国本社、東京オフィス、国内倉庫(日本法人の財務担当の視点)

以下は構造を示すための架空の例で、特定の保険会社の対応を述べるものではなく、実際のプログラムの法的な位置づけは文言と事実関係によります。

米国の製造業グループが、グローバルの財物・休業プログラム(米国発行のマスター、DIC/DILと財務利益条項付き、工場のある国のローカル証券)を持っています。日本に株式会社を設立し、東京にオフィス、神奈川県に倉庫を借り、米国と東南アジアの工場から完成品を輸入し、15人を雇い、うち2人は米国からの出向者です。

ステップ1: 日本に何があるか。オフィスの什器・造作、倉庫のラックと設備、倉庫の在庫、港から倉庫・顧客への国内輸送中の在庫、日本に居住する15人の従業員、日本法人の賠償責任。米国の工場から日本の港までの洋上の商品は国際輸送中の貨物です。

ステップ2: 186条の検討で分かること。オフィスと倉庫の什器、倉庫の在庫、国内輸送、居住する従業員、日本での賠償責任は規制の対象で、日本のローカル証券が必要。国際輸送中の貨物は除外で、除外が終わる地点(海上保険会社と定義する)までグループの貨物プログラムに残せる。出向者は居住すれば日本の人で、2021年の許可簡素化は本国の団体保険をこうした社員に提供する場面のためのもの。グループがそれを使うか現地で付保するかを決める。

ステップ3: ローカル証券。オフィスと倉庫の什器・在庫に日本の企業向け火災保険、地震特約をグループが選ぶ保険金額で(日本の企業向け火災保険は地震を標準で免責し、政府再保険付きの地震保険は住宅のみ)、倉庫の水災条件を確認し、海外からの再調達期間を反映したてん補期間の利益保険。日本法人の施設賠償とPL。グループの貨物プログラムが最終区間をカバーしないなら国内の運送保険。契約者・記名被保険者は日本法人。貸主には賃貸借が求める証明書を出す。

ステップ4: マスター。DIC比較は日本語約款に対して行う。マスターは地震を保険価額まで補償し、日本の証券は地震に限度額がある、という場合、差はDILの問題で、日本の地震による損失にDILの支払が行われるのか、誰に、どの通貨で、をマスターの保険会社に確認する。マスターの財務利益条項は本社の日本法人に対する利益を引き続き付保するが、支払先は本社で、日本法人の貸借対照表を直接戻すものではないと記録する。

ステップ5: フロンティング(望む場合)。グループが米国の保険会社に日本の財物リスクを負わせたいなら、米国の保険会社が日本の免許保険会社にローカル証券の発行と再保険を依頼し、日本の保険会社が倉庫を審査し、手数料と保有分を決め、日本法人の引受人になる。米国の保険会社がロイズのシンジケートで、契約者が日本法人ではなく米国本社なら、ロイズの日本向けモデルも選択肢になり得る。日本法人が契約者なら、使えない。

ステップ6: 台帳。日本法人の財務担当のための1枚の要約。倉庫火災、台風、地震、PL請求、貨物損害のそれぞれにどの証券が対応するか、誰に・どの通貨で払われるか、日本語で誰に連絡するか、各証券の更新がマスターに対していつか。

このケースの数値と構造はすべて例示です。示している作業、すなわち日本に何があるかを列挙し、186条の検討を当て、ローカル証券を置き、そのうえでマスターと照合する、という手順は、どの実際のプログラムにも必要なものです。

更新時の照合の回し方

プログラムは維持されて初めて機能します。日本の層を整合させ続ける習慣は3つです。日本の各リスクについて、対応する証券、被保険者、支払先、更新日を1つの台帳に載せる。マスターか日本の証券のどちらかが更新されるたびに、その時点の日本語約款に対してDIC比較をやり直す。日本側の変化(新しい倉庫、在庫の増減、保険条項のある新しい顧客契約、車両)を、起きた時点でローカル証券を管理する者に回す。日本の証券は申告した数値で料率が決まり、中途の変更は申し出により異動処理されるためです。

本国の制度と用語を前提にした国別の整理は、米国系企業、中国系企業、欧州系企業の日本法人の損害保険の記事をご覧ください。

那由他保険テクノロジーズが本社プログラムと日本のローカルポリシーの接続でご支援できること

那由他保険テクノロジーズは東京の保険代理店で、法人向けの法人リスクコンサルティング(Risk & Benefits)では、海外グループの日本の層を扱っています。グローバルマスター、フロンティング契約、財務利益補償の手配は行わず、それらについての法的・税務的な助言もしません。それらはグループの保険会社・ブローカー・専門家の領域です。行うのは、この記事が示す日本側の作業です。マスターの資料と日本法人の賃貸借・契約を預かり、日本のリスクを列挙し、日本の保険会社が必要とする形で日本のローカル補償を条件書にし(地震の保険金額、水災の条件、日本の相手方が求める追加被保険者を含む)、当社が取り扱える日本の保険契約を手配し、日本の契約が求める証明書を出し、更新のたびにローカルの台帳をマスターと照合します。保険証券診断はこの最初の工程を定型化したものです。本社との英語でのやり取りはメールベースでご支援できます。

立場を明確にしておきます。那由他保険テクノロジーズは、損害保険については特定の保険会社の代理店として募集を行い、複数の保険会社の商品を比較して推奨する販売は行わず、保険仲立人でもありません。プログラムが特定の保険会社の日本の関連会社やフロンティング先からのローカル証券を前提にしている場合でも、棚卸し・条件書・照合はご支援でき、契約の手配そのものが当社の範囲外になる場合はその旨をはっきりお伝えします。詳細は比較推奨販売方針をご覧ください。

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よくある質問

本社から「日本はローカルポリシーが必要な国だ」と言われました。本当ですか?

日本に所在する財産と日本に居住する人については、保険業法186条が日本に支店のない外国保険業者による直接の付保を原則として制限するため、実務上の構造は日本の免許保険会社のローカル証券と、重複と空白を確認する対象としてのマスターです。国際的な保険会社やロイズはこの理由で日本をローカル必要国として扱います。再保険、国際輸送中の貨物、海外旅行は除外で、グループのプログラムに残ることが多い項目です。

本社のマスターのDIC/DILがあれば、日本の地震特約の限度額を超える損失はカバーされますか?

それはマスターの保険会社に確認するDILの問いで、答えはマスターの文言、補償地域、地震の扱いによります。DIC/DILが機能するには日本のローカル証券が有効であることが前提です。日本の損失についてDILの支払が行われるのか、本社と日本法人のどちらに、どの通貨で、を事前に確認してください。

本社が「FINCで日本をカバーしている」と言います。日本法人は何もしなくてよいですか?

財務利益補償は本社の利益を付保して本社に払うもので、日本法人には証券も、証明書も、日本での事故対応も与えません。賃貸借や顧客の付保条件を満たさず、日本で保険金も払われません。法的・税務上の扱いは文言ごとの確認事項です。ローカル証券と並ぶものであって、代わりではありません。

本社の保険会社が日本の保険会社を通じてフロンティングすることはできますか?

再保険が186条の除外なので、構造としては適法です。特定の日本の保険会社が特定の保険会社のために、どの手数料・保有・担保の条件でフロンティングするかは両者の商業上の問題です。フロンティング保険会社は日本法人の引受人になり、日本のリスクを自ら審査します。

ロイズのJapan Multinational Modelは使えますか?

ロイズは、同モデルを日本に所在し国外で管理されるリスク向けで、契約者が日本で登記・居住しておらず購入決定が国外で行われる場合に限るとし、日本のみの契約には適さず、保険料は開始前にロイズ・ジャパンに着金が必要で、ロイズ・ジャパンはロイズ以外の市場のために発行できないと説明しています。日本法人が契約者の場合やロイズのシンジケート以外が引受人の場合は、日本のフロンティング保険会社が代替です。

日本のローカル証券の契約者は誰にすべきですか?

通常は登記上の名称の日本法人、支店の場合は外国会社と日本支店です。日本の相手方が証明書に期待する形で、日本法人を円建ての保険金の受取人にする形でもあります。契約が求める追加被保険者は、約款が認める範囲で特約として付けます。

参考一次情報

本記事は、多国籍企業の保険プログラムの構造を日本法人の側から整理した一般的な解説です。法律・税務・規制に関する助言ではなく、特定の保険会社、保険商品、保険契約や特約の内容を説明または推奨するものではなく、仮想ケースは架空の例です。各構造の日本での利用可能性、適法性、税務上の扱いは、保険会社の法務と日本の専門家にご確認ください。那由他保険テクノロジーズは、損害保険については特定の保険会社の代理店として募集を行っています(比較推奨販売方針をご参照ください)。