
総合福祉団体定期保険の配当金は、保険会社から配当金を支払う旨の通知を受けた日の属する事業年度の益金に算入します(法人税基本通達9-3-8)。勘定科目は法令で決められておらず、保険会社の経理案内でも雑収入が使われていますが、自社の勘定科目体系に従えば足ります。処理が分かれるのは、配当金を現金で受け取るか、次回の保険料と相殺されるか、据え置くかという受取方法の違いです。この記事では、既に契約している会社の経理担当者向けに、保険料の支払いから配当金の通知、保険金の受取、遺族への支給までを時系列の仕訳例で整理し、消費税の扱いと無配当型との事務の違いを国税庁の原本に沿って確認します。
Summaryこの記事のポイント
- 配当金は、保険会社から通知を受けた日の属する事業年度の益金に算入します。据置配当は積み立てた旨の通知を受けた事業年度、据置配当に付く利子も通知のあった事業年度の益金です(法人税基本通達9-3-8)。
- 勘定科目は法令・通達で定められていません。保険会社の経理案内では雑収入とされており、自社の勘定科目体系に合わせて営業外収益に計上すれば足ります。
- 保険料は原則として期間の経過に応じて損金に算入し、保険金の受取人が被保険者・遺族の契約で特定の役員・使用人だけを被保険者にしている場合は給与になります(法人税基本通達9-3-5)。配当金が保険料と相殺される場合も、保険料は総額、配当金は益金として分けて計上するのが基本です。
- 消費税は、保険料が非課税取引、保険金が不課税です。契約者配当金の区分は国税庁の通達・タックスアンサーに直接の記載がなく、課税売上割合に関わるため顧問税理士に確認します。
- 無配当型では配当金の受入事務が発生しませんが、保険料の負担が常に小さくなるとは限らず、切り替えは経理事務と予算の両面で判断します。
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総合福祉団体定期保険の配当金はいつ益金になる?
配当金は、保険会社から配当金を支払う旨の通知を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入します。基準になるのは入金日ではなく通知日です。決算日までに通知が届いていれば、入金が翌期でも当期の益金として未収入金で計上します。
根拠は国税庁 法人税基本通達9-3-8(契約者配当)です。通達は、法人が生命保険契約に基づいて支払を受ける契約者配当の額について「その通知(据置配当については、その積立てをした旨の通知)を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する」と定めています。同じ通達には、養老保険で死亡保険金・生存保険金の受取人が法人である場合(同9-3-4(1))には、資産に計上している保険料の額から配当金を控除できるというただし書きがあります。総合福祉団体定期保険は保険期間1年の定期保険で、保険料は資産計上せず費用にしますから、このただし書きは当てはまりません。配当金の全額が通知を受けた事業年度の益金になります。
配当金を据え置く扱いが契約上選べる場合は、据置配当を「積み立てた旨の通知」を受けた事業年度の益金です。据置配当や未収の配当金に付く利子も、通達の注書きにより、その利子の通知があった日の属する事業年度の益金に算入します。据置を選ぶと、配当金の元本と利子の残高を帳簿で管理し続けることになるため、通知書の日付と金額を毎年控えておきます。
配当金は毎年同じ額が来るものではありません。保険会社の公式案内では、1年ごとに収支計算を行い、剰余金が生じた場合に配当金を支払うこと、配当金は加入者数、支払った保険金の額、保険会社の決算などで毎年変動し将来の支払いを約束するものではないこと、保険金・給付金の支払状況によっては0になる場合もあることが示されています(三井住友海上あいおい生命、メットライフ生命の公式案内)。したがって、前年と同額の配当金を決算で見越し計上する根拠はなく、通知が届くまで計上しません。予算上も、配当金を保険料の値引きとして織り込まない方が安全です。
配当金の勘定科目は雑収入でよい?
雑収入で差し支えありません。ただし、雑収入でなければならないという法令・通達はなく、勘定科目は会社の勘定科目体系に従って決めます。
保険会社の経理案内でも雑収入が使われています。たとえば東京海上日動あんしん生命の総合福祉団体定期保険の案内は、配当金を支払う旨の通知があったときは、全額を雑収入として、その通知があった日の属する事業年度の益金に算入するよう案内しています。保険金を法人が受け取った場合も同じく全額を雑収入として益金に算入する案内です。
税務上の区分と勘定科目の名前は別のものとして考えます。法人税基本通達9-3-8が決めているのは「益金に算入する時期」であって、損益計算書のどの科目に載せるかではありません。営業外収益の雑収入のほか、保険関係の収入をまとめる補助科目を設けている会社なら、その体系に合わせます。注意したいのは、株式の配当金と同じ「受取配当金」の科目にまとめてしまうことです。株式の配当には受取配当等の益金不算入の制度がありますが、契約者配当金は通達上、益金に算入する収入です。同じ科目に混ざると申告時の集計で紛れるおそれがあるため、契約者配当金は別科目か別の補助科目で分けておきます。
保険料側の科目は、実務上「福利厚生費」または「支払保険料(保険料)」が使われています。全員加入を原則とし、弔慰金・死亡退職金規程の財源として契約する保険なので福利厚生費を使う会社もあれば、法人保険をまとめて支払保険料に計上している会社もあります。どちらでも税務上の損金算入の判定は変わりません。同じ契約の保険料と配当金は、摘要や補助科目で契約を特定できるようにしておくと、通知書との照合と更新時の見直しが楽になります。
保険料の支払いから遺族への支給までの仕訳例
経理処理が発生する時点は、保険料の支払い、配当金の通知、保険金の受取、遺族への支給の4つです。以下の表では年間保険料をA、配当金をB、保険金をC、規程に基づく支給額をDとして、時系列に仕訳例と根拠を並べます。金額の記号は説明のためのもので、実際の金額は契約と通知書で確認します。
この表は、総合福祉団体定期保険に関して経理処理が発生する時点ごとに、仕訳例と税務上の根拠・確認点を並べたものです。
| 時点 | 仕訳例(借方/貸方) | 根拠と確認点 |
|---|---|---|
| 保険料を支払ったとき | 福利厚生費(または支払保険料) A / 現金預金 A | 原則として期間の経過に応じて損金(法人税基本通達9-3-5、タックスアンサーNo.5364)。受取人が被保険者・遺族の契約で、特定の役員・使用人だけが被保険者なら給与。特約の保険料も内容に応じて同じ扱い(同9-3-6の2)。消費税は非課税仕入れ |
| 年払いで保険期間が決算期をまたぐとき | 福利厚生費(当期分)+前払費用(翌期分) / 現金預金 A、翌期に前払費用を福利厚生費へ振替 | 前払費用は原則として役務の提供を受けた期に損金。支払日から1年以内の役務で継続して支払時に損金算入していれば短期前払費用として支払時の損金が認められる(タックスアンサーNo.5380、法人税基本通達2-2-14) |
| 配当金の通知を受けたとき(現金で受け取る) | 現金預金(入金が翌期なら未収入金) B / 雑収入 B | 通知を受けた日の属する事業年度の益金(法人税基本通達9-3-8) |
| 配当金が次回の保険料と相殺されるとき | 福利厚生費 A / 現金預金 A−B、雑収入 B | 保険料は総額で費用、配当金は益金。差し引き後の支払額だけを保険料にしない(同9-3-8が配当金の控除を認めるのは資産計上した保険料に限られるため) |
| 配当金を据え置くとき(契約上選べる場合) | 未収入金(据置配当) B / 雑収入 B | 積み立てた旨の通知を受けた事業年度の益金。据置配当に付く利子も通知のあった事業年度の益金(同9-3-8注2) |
| 保険金を法人が受け取ったとき | 現金預金 C / 雑収入 C | 全額を益金に算入(保険会社の経理案内)。主契約部分は全額を遺族へ支払い、法人がいったん受け取る場合は遺族の了知を確認する考え方が、保険会社向けの監督指針(金融庁)に示されている |
| 規程に基づき遺族へ支給したとき | 死亡退職金・弔慰金(退職金、福利厚生費など) D / 現金預金 D | 役員分は株主総会の決議等で額が確定した事業年度の損金で、不相当に高額な部分は損金不算入(法人税基本通達9-2-28、法人税法34条2項)。従業員分は規程に基づく支給として費用 |
| 遺族が保険金を直接受け取るとき | 会社側に保険金の仕訳はなし | 規程の支給額Dが保険金額Cを上回る分は会社が自己資金で支給し、その分だけ費用になる |
保険料を資産計上する法人保険(最高解約返戻率50%超の長期定期保険など)とは区分が異なります。総合福祉団体定期保険は保険期間1年の定期保険で貯蓄部分を持たないため、資産計上の論点は通常生じません(契約内容は約款で確認します)。
給与とされる条件は表の1行目にあるとおり、保険金の受取人が被保険者・遺族の契約で「特定の役員・使用人だけを被保険者にしている」場合です(法人税基本通達9-3-5のただし書は受取人が被保険者・遺族の場合にだけ付き、受取人が法人の場合には付きません)。全員加入を原則とする総合福祉団体定期保険では通常当てはまりませんが、役員だけ、部課長だけといった加入範囲に絞っている契約や、規程の支給対象者と加入者名簿がずれている契約では、この判定に関わります。加入者名簿が規程の支給対象者と一致しているかを、保険料の損金算入を裏づける資料として決算時に確認します。災害総合保障特約などの給付金を法人が受け取り、それを原資に規程に基づいて従業員へ見舞金を支給する場合(給付金の受取人が法人か被保険者かは契約により異なります)、心身に加えられた損害につき支払を受ける相当の見舞金は所得税法施行令30条により従業員側で非課税とされていますが、金額が相当かどうかの判断は個別に必要です。
保険料を資産計上するかどうかの区分、最高解約返戻率による区分、名義変更や払済の処理は法人保険全般の論点で、総合福祉団体定期保険では通常出てきません。これらの分岐は法人保険の経理処理(損金・資産・給与・益金の分岐)で整理しています。
配当金に消費税はかかる?
保険料は非課税取引、保険金は不課税です。契約者配当金については、国税庁の通達・タックスアンサーに直接の記載を2026年11月2日時点で確認できませんでした。区分によって課税売上割合の分母が変わるため、自社の扱いは顧問税理士に確認します。
保険料から見ていきます。国税庁 タックスアンサーNo.6201「非課税となる取引」は、「預貯金の利子および保険料を対価とする役務の提供等」を非課税取引として挙げています。支払った保険料は非課税仕入れで、仕入税額控除の対象になりません。保険金は、消費税法基本通達5-2-4が「保険金又は共済金(これらに準ずるものを含む。)は、保険事故の発生に伴い受けるものであるから、資産の譲渡等の対価に該当しない」としており、不課税です。
契約者配当金は、この2つのどちらの文言にも直接は出てきません。保険金の通達は「保険事故の発生に伴い受けるもの」を理由にしており、配当金は保険事故とは関係なく剰余金の分配として受け取るものです。同じ章の通達5-2-8は剰余金の配当を不課税としていますが、対象を「出資に係るものに限る」としているため、保険契約者の地位に基づく配当金は文言上の対象外です。タックスアンサーNo.6157の不課税の具体例にも、保険金・共済金と株式の配当金は挙がっていますが、契約者配当金の例示はありません。
区分を確認する理由は課税売上割合にあります。国税庁 タックスアンサーNo.6209「非課税と不課税の違い」によると、非課税取引は原則として課税売上割合の分母のみに算入し、不課税取引は分母にも分子にも算入しません。配当金を非課税売上として分母に入れるか、不課税として割合の計算から外すかで、課税売上割合が変わります。一方で、国税庁 タックスアンサーNo.6401「仕入控除税額の計算方法」のとおり、課税期間中の課税売上高が5億円以下かつ課税売上割合が95%以上の会社は課税仕入れ等の消費税額を全額控除できるため、配当金の区分の違いが仕入控除税額に影響する場面は限られます。課税売上割合が95%前後の会社や課税売上高が5億円を超える会社は、区分で控除税額が動きうるので、顧問税理士と区分を決め、その処理を毎期継続します。
無配当型にすると経理事務はどう変わる?
無配当型では配当金の受入事務がなくなります。保険料の負担が常に小さくなるわけではないので、切り替えは事務の軽さと予算の立てやすさ、実質負担の3つを並べて判断します。
保険会社の公式案内では、無配当型について「配当金がありませんので、配当金受入れ事務が発生しません」(住友生命「企業の福利厚生としての保障」)、保険金の支払実績によっては配当金を考慮した実質負担額は有配当型の方が安くなる場合がある(同)、配当金をなくすことで保険料を抑え福利厚生費の予算を平準化できるが、有配当型の配当金を加味した実質負担額と比べて割安にならないこともある(三井住友海上あいおい生命「総合福祉団体定期保険 無配当総合福祉団体定期保険」)と説明されています。経理の側から見ると、有配当型では年1回の配当金通知の受領、雑収入の計上、翌期の保険料との相殺や据置残高の確認、通知書の保存が毎年発生し、金額は毎年変動して予算に見込めません。無配当型では保険料の支払いと期間按分だけになり、福利厚生費の予算が固定しやすくなります。
税務上の扱いは型で変わりません。保険料の損金算入の判定は法人税基本通達9-3-5のとおりで、有配当型か無配当型かは関係ありません。切り替えは一般に1年更新の更新時に検討することになり、判断材料は過去数年の配当金通知書と保険料の支払額です。有配当型の保険料から配当金を差し引いた実質負担と、無配当型の保険料を同じ加入者数・年齢構成の前提で並べると、事務の軽さのためにどれだけ負担が変わるかが見えます。表面の保険料だけで決めると、配当が多かった年度の実質負担と取り違えることがあります。
決算前に経理担当が手元にそろえる書類
配当金と保険料の処理を決算で説明できる状態にするには、通知書・支払明細・名簿・規程の4種類を同じ場所に集めておきます。次のチェックリストは、総合福祉団体定期保険について決算前に確認する書類と見る箇所です。
このチェックリストは、総合福祉団体定期保険の決算処理で確認する書類と、その書類のどこを見るかを並べたものです。
- 配当金通知書:通知日が当期の事業年度内か、金額、受取方法(現金・相殺・据置)はどれか
- 保険料の領収証または口座振替の明細:支払日と契約上の保険期間、決算期をまたぐ部分の按分方法
- 加入者名簿:規程の支給対象者と一致しているか、特定の役員・使用人だけの加入になっていないか
- 弔慰金・死亡退職金規程と加入保険金額の対応表:支給額が保険金額を上回る加入者がいないか
- 保険金支払通知、遺族への支給決議、受領書(支払事由があった年度)
- 消費税区分のメモ:保険料は非課税仕入れ、配当金は顧問税理士と確認した区分を継続しているか
名簿と規程は人事・総務が持っていることが多く、経理だけでそろわない場合は更新月の前に受け渡しの時期を決めておきます。
加入者名簿と規程の突き合わせは、保険料の損金算入と保険金の支払いの両方の前提になります。全員加入の原則、受取人の置き方、規程・名簿・保険の順で整える考え方は総合福祉団体定期保険とは(団体定期保険との違いと導入手順)にまとめています。規程の支給額と保険金額をどう対応させるかは、福利厚生としての死亡保障を対象者・保障額・規程の順に設計する福利厚生としての死亡保険の制度設計で扱っています。
那由他保険テクノロジーズが総合福祉団体定期保険の配当金処理と契約内容の整理でご支援できること
通達の読み方が分かっても、会社ごとに残るのは契約の中身です。配当金が現金で入るのか次回保険料と相殺されるのか、据置が選ばれているのか、受取人が法人か遺族か、特約が付いているか、保険料は月払いか年払いかで、同じ総合福祉団体定期保険でも仕訳の行数と時期が変わります。証券は総務、通知書は経理、名簿は人事と持ち場が分かれている会社では、決算のたびに同じ照合をやり直すことになります。
那由他保険テクノロジーズでは、証券、配当金通知書、保険料の支払明細、加入者名簿、弔慰金・死亡退職金規程を並べて、契約ごとに配当金の受取方法、保険料の支払い方と保険期間、受取人、特約の有無を一枚の表にします。この表があると、経理は通知書が届いた時点でどの行の仕訳になるかを迷わず判断でき、顧問税理士にも契約の構造をそのまま渡せます。規程の支給額と加入保険金額の対応表も同時に作り、支給額が保険金額を上回る加入者がいれば、会社の自己資金で埋める範囲として示します。
有配当型と無配当型の切り替えを検討する場合は、過去数年の配当金通知書から配当実績を拾い、保険料との差し引きで実質負担を並べ、更新時に保険会社へ確認する事項を文面にします。保険料コスト削減余地の分析や保障の適正化の支援として行うものであり、保険料や配当金の水準をお約束するものではありません。税務上の区分や個別契約の損金・益金の判断は顧問税理士の領域なので、税理士に渡す資料を整える形でご支援します。通知書や名簿がまだ手元に集まっていない段階でも構いません。何が分かっていて何が分からないかの整理から、まずはお問い合わせください。
よくある質問
配当金はいつの事業年度の収益になりますか?
保険会社から配当金を支払う旨の通知を受けた日の属する事業年度の益金です(法人税基本通達9-3-8)。入金日ではなく通知日で判定するため、決算日までに通知が届いていれば入金が翌期でも当期の益金として未収入金で計上します。据置配当は積み立てた旨の通知を受けた事業年度、据置配当に付く利子も通知のあった事業年度の益金です。
配当金が次回の保険料と相殺された場合はどう仕訳しますか?
保険料は総額で費用(原則として期間の経過に応じて損金)、配当金は総額で雑収入(益金)として分けて計上し、差し引き後の支払額だけを保険料にしないのが基本です。法人税基本通達9-3-8が配当金を保険料から控除することを認めているのは、養老保険などで資産に計上している保険料に限られ、保険料を費用にする総合福祉団体定期保険には当てはまらないためです。所得への影響は同じでも、保険料の総額と配当金の額が帳簿と通知書で照合できる状態にしておくと、更新時の見直しや税務調査での説明がしやすくなります。
配当金の勘定科目は雑収入でなければいけませんか?
雑収入でなければならないという法令・通達はありません。保険会社の経理案内でも雑収入が使われており、会社の勘定科目体系に合わせて営業外収益に計上すれば足ります。株式の受取配当金と同じ科目にまとめると受取配当等の益金不算入の集計に紛れるおそれがあるため、契約者配当金は分けておくのが安全です。
配当金に消費税はかかりますか?
保険料は非課税取引、保険金は不課税ですが、契約者配当金については国税庁の通達・タックスアンサーに直接の記載を2026年11月2日時点で確認できませんでした。不課税と非課税では課税売上割合の分母への算入が異なるため、自社の区分は顧問税理士に確認し、一度決めた処理を継続してください。課税売上高5億円以下かつ課税売上割合95%以上で全額控除の会社では、区分の違いが仕入控除税額に影響しにくい点も合わせて確認します。
無配当型に切り替えると経理処理は何が変わりますか?
配当金の通知を受けて雑収入を計上する事務と、翌期の保険料との相殺や据置残高の管理がなくなります。保険料の損金算入の判定(法人税基本通達9-3-5)は有配当型と変わりません。保険料の負担が常に小さくなるとは限らないので、過去数年の配当実績を差し引いた実質負担と、無配当型の保険料を並べて判断します。
参考一次情報・公的資料
- 国税庁 法人税基本通達 第9章第3節 保険料等(9-3-5、9-3-6の2、9-3-8)
- 国税庁 法人税基本通達 9-2-28(役員に対する退職給与の損金算入の時期)
- 国税庁 タックスアンサーNo.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料の取扱い
- 国税庁 タックスアンサーNo.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合
- 国税庁 タックスアンサーNo.6201 非課税となる取引
- 国税庁 タックスアンサーNo.6209 非課税と不課税の違い
- 国税庁 タックスアンサーNo.6401 仕入控除税額の計算方法
- 国税庁 消費税法基本通達 第5章第2節 資産の譲渡の範囲(5-2-4、5-2-8)
- 金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4-2-4 他人の生命の保険契約について
- 東京海上日動あんしん生命「総合福祉団体定期保険」
- 住友生命「企業の福利厚生としての保障」
- 三井住友海上あいおい生命「総合福祉団体定期保険 無配当総合福祉団体定期保険」
- メットライフ生命「総合福祉団体定期保険[有配当型]」
情報確認日:2026年11月2日
執筆:中村 祐太朗(那由他保険テクノロジーズ株式会社 Risk & Benefits事業 執行役員/損害保険・生命保険募集人)|編集:那由他保険テクノロジーズ株式会社 編集部|最終更新日:2026年11月2日
本記事は2026年11月時点の国税庁・金融庁の公表資料と保険会社の公式案内に基づく一般的な情報です。個別契約の会計処理・税務上の取扱いは顧問税理士にご確認ください。